東証スタンダード市場に上場する昭和ホールディングス(HD)が、会社の実印や会計帳簿、預金通帳といった重要書類・データの一切が行方不明となっている衝撃的な事実を、8日午後に適時開示資料で公表した。代表取締役も選任されておらず、本店所在地にも会社が実在しているかどうか定かではない、極めて異例の状況に陥っている。
「代表取締役選任が出来ていないこと、経営の現況と今後の方針」
千葉県柏市に本店を置く昭和HDが提出した資料には、問い合わせ先として取締役の名前と都内の弁護士事務所の電話番号が記載されていた。資料によれば、6月29日に開催された株主総会で取締役5人が再任されたものの、そのうち3人と連絡が取れず、取締役会すら開催できない状態にあるという。さらに、取締役の一人が本店所在地を訪問したところ、看板はあるものの、「当社は実印、会計帳簿、預金通帳等一切の物・データ類を占有しておらず、その保管場所も不明の状態」であることが判明した。
記者が9日に本店所在地を訪れると、そこは昭和HDの子会社だった昭和ゴムの工場などが立ち並ぶ広大な敷地だったが、昭和HDの看板は見当たらず、守衛室では「ここには存在しない。看板もない。連絡先もわからない。まったく関係ない」と強い口調で追い返された。
取締役選任を巡る訴訟の影響か
昭和HDは東南アジアでのゴム製品製造を主事業としてきたが、近年は取締役選任を巡る訴訟などガバナンス上の問題が表面化していた。今回の事態は、上場企業としての存続そのものを脅かしかねない深刻なケースであり、東証や金融庁の対応が注目される。



