熊本地震の被災地の早期復興に向け、損害保険各社が住宅などの被害状況の調査に総力を挙げている。早期の地震保険の支払いのため、遠隔拠点からの被災地の業務支援や、デジタル技術活用による業務効率化といった対応を急いでいる。
地震保険の支払いと査定の仕組み
地震保険の保険金額は「全損」「大半損」といった被害の程度に応じて決まる。支払いには保険会社の立ち会いによる査定が必要で、東京海上日動火災保険は最大660人態勢で対応している。
10年前との違い、バックオフィス支援の充実
同じ最大震度7の揺れに見舞われた10年前との大きな違いは、被災地外の都市部に電話応対や調整作業などを行うバックオフィスを設けた複数拠点態勢での支援機能を充実させていることだ。
以前は被災地や周辺拠点に従業員を動員しても現場での事故受け付けや書類作成、支払い事務、書類手続きなどに追われ、支払いまでに時間がかかっていた。バックオフィスで支援すれば、現場の従業員は損害調査など現地でしかできない対応に集中し、手続きを迅速化できる。
東京海上は今回、都内に2カ所設置。損害保険ジャパンも東京と大阪にバックオフィスを設け、8月下旬時点で約230人を配置して支払い業務の効率化につなげている。
デジタル技術で進む業務効率化
こうしたバックオフィスでの支援をデジタル技術が支えている。東京海上は契約者が直接、立ち会い日時を指定したり、従業員の調査の巡回ルートを作成できたりするシステムを運用する。三井住友海上火災保険は、新システムによって調査などの進捗(しんちょく)状況を一元管理し、手続きを円滑化。あいおいニッセイ同和損害保険も同様の取り組みで、支払いの迅速化につなげている。
日本損害保険協会などによると、今回の熊本地震では地震保険の受付件数は7月末時点で約4万件に上る。9割超が熊本県内に集中しており、生活再建の資金を迅速に届けるための取り組みが続いている。



