海外事業が成長のけん引役に
キユーピーの執行役員、田中元樹氏は読売新聞の取材に対し、同社の成長戦略について語った。同社はマヨネーズやドレッシング、ジャムなどの食品に加え、ヒアルロン酸や乳化剤の原料となる卵黄レシチンなどの素材事業も手がけている。マヨネーズは創始者の中島董一郎が米国で出会い、1925年に製造を始めた歴史を持つ。原料には卵黄のみを使用し、卵白は製菓店などに卸しながら付加価値を付ける研究に注力してきた。この取り組みから、卵の成分を活用したファインケミカル事業が生まれた。卵の取扱量は年間約25万トンで、日本で生産される卵の約10%に相当する規模だ。
過去最高益を更新、2028年度に売上高6000億円
2025年度(25年11月期)決算では、売上高が4年連続で増収、営業利益も2年連続で最高益を更新した。田中氏は「海外事業の成長に加え、調味料や卵の加工品の売り上げが伸び、営業利益は26年度も最高益を更新する見通しだ」と説明する。2028年度の目標は売上高6000億円、営業利益450億円としている。稼ぐ力を高めるため、25~28年度の設備投資額の総額1000億円のうち、維持費などを除く「攻めの投資」に750億円を充当する計画だ。これは21~24年度の1.8倍に相当する。国内では労働人口減少を見据え、ロボットやデジタル技術への投資を進める。
北米を中心に海外工場を拡充
「成長のカギは海外だ」と田中氏は強調する。海外売上高は北米がけん引し、25年度に1000億円を突破。28年度までに1800億円を目指す。25年度は米東部に工場を新設するなど、海外で3工場を新設・増設した。世界戦略商品と位置付けるマヨネーズと深煎りごまドレッシングの供給体制が整い、認知度向上のステージに入ったという。
株主還元を強化、自社株買いも実施
株主への取り組みについては、25~28年度の総還元性向(最終利益のうち、配当金と自社株買いの割合)を50%以上と計画している。2026年1月には100億円の自社株買いを発表した。増配も継続し、25年度は普通配当54円に記念配当を加え計64円としたが、26年度は普通配当だけで65円に引き上げる。また、工場見学や経営陣との対話の場も設けたいと述べた。
このインタビューは、読売株価指数(読売333)を構成する企業のIRや財務、経営企画担当役員に戦略を聞くシリーズの一環として行われた。



