不動産デベロッパーのヒューリックは6月15日、大阪市内でホテル「ザ・ゲートホテル大阪」をグランドオープンした。同社の西浦三郎会長は「今までの不動産事業ではなくなる」と述べ、新規事業の育成に注力する方針を明確にした。西浦会長は全社員に対して「自分の思惑と違うなら辞めてもいい」と覚悟を求めており、ホテル事業を中核とした非不動産分野へのシフトを加速させる。
旗艦ホテル「ザ・ゲートホテル大阪」の概要
「ザ・ゲートホテル大阪」は、地上28階建ての高層複合ビル「クオーツ心斎橋」の16~28階に入る。同ビルはヒューリックが竹中工務店やJR西日本不動産開発などとの共同事業で開発した。大阪中心部を南北に貫く御堂筋沿いの大阪メトロ心斎橋駅に直結し、風雨にさらされずにホテルに入ることができる好立地だ。
ザ・ゲートホテルブランドとしては8軒目で、2012年の東京・浅草を皮切りに札幌、福岡、京都などに展開してきた。大阪は空白地帯だったが、インバウンド需要を取り込む狙いがある。観光庁の調査によると、2025年に大阪府内を訪れた訪日外国人旅行者の消費額は約1.6兆円で、東京都に次ぐ2位。成長余地は大きい。
客室とレストランの特徴
ザ・ゲートホテルは宿泊者の顔を認知したサービス提供を重視し、客室数は150~200程度が基本だが、大阪ブランドでは最大の223室とした。客室全体の76%は32平方メートル以上の広さを確保し、ゆとりある設計。レストランはすべて直営とし、外部委託する業界の一般的な手法とは一線を画す。
ヒューリックホテルマネジメントの大町祐輔社長は「外資系を含めたラグジュアリーホテルが大阪に出てきており、われわれにとって好ましい状況だ」と語る。ラグジュアリーホテルの進出が賃料相場を押し上げ、ザ・ゲートホテルにも追い風が吹くとみている。
非不動産事業へのシフト
ヒューリックは不動産デベロッパーとして知られるが、現在は新規事業の育成に注力。西浦会長は「今までの不動産事業ではなくなる」と明言し、ホテル事業を成長の柱に据える考えを示した。全社員に対して「自分の思惑と違うなら辞めてもいい」と覚悟を求めるなど、改革への強い意志がうかがえる。
ザ・ゲートホテル大阪の開業により、同社のホテル事業はさらなる拡大が見込まれている。



