業務用冷蔵庫や製氷機で世界トップクラスのホシザキが、国内外で事業を拡大させている。2018年に販売子会社で不正会計が発覚し、ガバナンス強化に取り組む最中、新型コロナウイルス禍で顧客である飲食店が大打撃を受けるなど逆風に見舞われたが、2025年12月期は過去最高益を更新した。ただ、株価は2024年12月と2025年3月に記録した最高値から約2割低い水準で推移している。ここからどのように成長を実現し、株価を引き上げていくのか――ホシザキの小林靖浩社長に聞いた。
社長就任後、不正会計とコロナ禍の連続
「社長になってから碌なことがなかった」。小林社長はそう振り返る。2017年の社長就任後、創業家出身ではない社長として新しいことに挑戦しようとしていた矢先、2018年に不正会計問題が発生。その後、コロナ禍が始まり2022年くらいまで続いたため、資本市場からは「小林さんが社長になってから碌なことがありませんね」と言われてきたという。
創業家出身の坂本会長の後押し
不正会計発覚時、創業家出身の坂本和孝会長は「全部膿を出せ」と指示。小林社長は「のれんの重さは覚悟のうえだった」と語る。ガバナンス強化を進める中で、SCC(サプライチェーンコントロール)の確立は絶対に手に入れたかったと強調した。
トルコのオズティを買収、世界戦略を加速
ホシザキは2023年、トルコの業務用厨房機器メーカー、オズティ(Öztiryakiler)を買収。小林社長は「オズティはトルコ国内でナンバーワンの強さを持つ」と評価する。同社の販売網や製造拠点を活用し、欧州や中東、アフリカ市場への浸透を狙う。また、インドや東南アジアでも需要が拡大しており、現地生産の拡大も検討している。
過去最高益を達成も株価は伸び悩み
2025年12月期の連結売上高は前期比8%増の約4000億円、営業利益は同12%増の約600億円と過去最高を更新。しかし、株価は2024年12月の最高値1万2000円から約2割下落し、1万円前後で推移。市場からは「成長鈍化懸念」や「ガバナンスリスク」が指摘されている。小林社長は「株価を意識した経営を強化する」と述べ、株主還元の拡充やIR活動の活性化を約束した。
グローバル展開の勝ち筋
ホシザキの強みは、業務用冷蔵庫や製氷機で圧倒的なシェアを誇る点だ。国内では約7割のシェアを持ち、海外でも北米やアジアで存在感を高めている。小林社長は「今後は新興国市場での需要取り込みが鍵」と指摘。特に、外食産業の成長が著しいインドネシアやベトナムでの販売強化を図る。また、環境対応として省エネ型製品の開発にも注力する。
非創業家社長の覚悟
「創業家の重みを感じるが、プロ経営者として結果を出す」。小林社長はそう語る。不正会計後は内部統制を徹底し、コンプライアンス体制を強化。コロナ禍で落ち込んだ飲食店向け販売も回復基調にある。2026年12月期も増収増益を見込み、さらなる成長を目指す。



