ホンダ中国事業の崖っぷち:販売半減、EV撤退、部品メーカー撤退ドミノの現実味
ホンダ中国事業崖っぷち:販売半減、EV撤退、部品メーカー撤退

ホンダの中国事業が深刻な危機に直面している。ピーク時に160万台を誇った販売台数は半分以下に落ち込み、2026年5月の販売台数は前年同月比48%減の2万8279台、1~5月累計でも前年比32%減の17万3344台と苦戦が続いている。中東情勢悪化に伴う原油価格高騰がガソリン車需要を直撃し、ホンダの主力であるガソリン車の販売が低迷していることが大きい。

EV戦略の頓挫と新型車不足

ホンダは2026年3月期に1.4兆円に上るEV関連損失を計上し、2040年に世界で売る新車をすべてEV・FCVにするという経営目標を撤回した。中国では、現地独自企画のEV「イエ」シリーズ第2弾として投入予定だったスポーティセダン「GT」の開発を「無期限延期」とし、その後のSUVタイプのEVも開発を停止した。

中国市場で人気のEVやプラグインハイブリッド車(PHV)で競争力のあるモデルをまったく投入できておらず、ホンダ系部品メーカーからは「そもそも勝負の土俵にすら上がれていない」との声が漏れる。今年4~5月の北京モーターショーでも、他社が新型車を投入する中、ホンダは新型車の発表を見送る異例の措置を取った。展示は初代アコードなどにとどまった。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

地場メーカーとの連携ジレンマ

ホンダは中国市場での巻き返しを図るため、現地の電池大手である寧徳時代(CATL)との提携や、広州汽車とのEV共同開発など、地場メーカーとの連携を進めてきた。しかし、これらの協業は必ずしも成果に結びついていない。部品メーカーからは「ホンダからの発注が激減し、利益ゼロの案件も出ている」との悲鳴が上がる。ある部品メーカー幹部は「このままでは撤退を検討せざるを得ない」と語る。

ホンダの中国事業は、販売台数の減少とEV投資の失敗が重なり、部品メーカーの撤退ドミノを引き起こす可能性が現実味を帯びている。ホンダは、ガソリン車からEVへの移行期において、競争力のあるモデルを投入できないまま、市場シェアを急速に失っている。

今後の見通し

ホンダは中国市場での立て直しに向け、2027年までにEV専用の新工場を稼働させる計画を発表しているが、具体的な新型車の投入時期は未定だ。アナリストからは「ホンダの中国事業は今後も厳しい状況が続く」との見方が強い。ホンダが再び成長軌道に乗るには、EV市場で競争力のある製品を迅速に投入し、部品メーカーを含むサプライチェーン全体の信頼を回復することが不可欠だ。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ