フジ・メディア・ホールディングスは、26年度第1四半期の決算説明会で、メディア・コンテンツ事業の今後の課題について説明した。コンテンツからの収益を最大化する“川下”の機能について「コンテンツからの利益を最大化するための機能が足りない」との認識を示し、M&Aなどを含めて「必要な知見を持つ会社をグループに迎え入れたい」とした。
川上・川中・川下それぞれに課題
同社は、メディア・コンテンツ事業の“川上”にあたる原作開発では、オリジナルIPの開発・保持に向けた投資と人材確保を課題として挙げた。
また、“川中”の制作では、従来の閉じた制作体制から脱却し、外部の才能や制作会社と柔軟に交流しながらコンテンツを作る必要があると認識。外部の力と、自社が持つ企画力、拡散力、ファイナンス力を掛け合わせて多様なコンテンツを開発するためにも「制作能力の向上が絶対的に必要」としている。
そして“川下”では、制作したコンテンツから利益を最大化する機能が不足していると分析。自前での機能強化だけでなく、M&Aによって必要なノウハウを取り込むことも視野に入れている。
コンテンツ強化で放送とIPの両輪を成長
メディア・コンテンツ事業は、第1四半期として過去最高益のスタートとなった。増益要因について同社は、フジテレビの放送収入の回復とデジタル事業の増収を挙げる。放送収入については、ガバナンス改革・コンプライアンス改革が広告主から評価されたことに加え、マーケティング・営業・コンテンツ投資戦略局を中心に商品価値向上を進めてきた成果が出ていると説明した。
FODでは、「F1」の高価格帯プランへの加入が増収をけん引し、前年秋の価格改定も寄与したという。
この増益を一過性にしないため、今後はコンテンツを強化することで、放送事業とIPコンテンツ事業の双方を伸ばす方針。中期的にはROE(自己資本利益率)8%を目指し、コンテンツ関連事業のライトアセット化や、フジテレビの「ハードとソフトの分離」も進めていく。
インフラ費削減分をコンテンツ制作へ
放送事業では、収入増に加えてコスト削減も進んでいる。第1四半期はサッカーワールドカップがあったにもかかわらず、制作費は横ばい程度に抑えられたとして、「一時的なものではなく持続性のある改革」との認識を示した。一方で、制作費そのものは「投資」と位置付けており、資本コストを上回る一定のハードルレートを満たすのであれば投下していく方針だ。
今後は、負担の重いインフラ設備や放送送出システムへの投資について共通化、一元管理を検討。送出コストを削減し、そこで生み出した資金を「事業のベースとなるコンテンツ制作に集中投下」して質の向上を図るとしている。
SBIグループとの事業シナジーについては、現時点では「検討開始」の段階としつつ、両社の目指す方向性には重なる部分があるとの認識を示した。今後、「海外展開等もSBIとともに進めていける可能性がある」としている。



