ベントレーCEOが語る「エンジン車を作っていきたい」という思い
2024年からベントレーのCEOを務めるドクター・ヴァリザーに、モータージャーナリストの小川フミオがインタビューを行った。豪華な装備や先進技術がベントレーのセリングポイントと思われがちだが、実際には「できるだけピュアなスポーツ性」を狙っているという。しかし、だからといって過去と決別するつもりはないと強調する。
ミュルザンヌの後継はない
「ミュルザンヌをこの先どうするつもりか、としょっちゅう訊かれます」とヴァリザーCEO。ミュルザンヌ(イギリス人はマルザンヌと発音)は、ベントレーのラインナップの頂点に位置した大型セダンで、6.75リッターV8エンジンを全長5.6mの車体に搭載。最後のモデルは2020年にモデルライフを終えている。
昔からのファンにとっては、戦前からのヘリテージを意識させるモデルだった。大きな車体に大排気量・大パワーのエンジンで轟音とともにレースを席巻したベントレー車は、当時「世界一速いトラック」と評された。これはフランスのスポーツカーの名門ブガッティの創業者エットーレ・ブガッティの言葉とされる。ミュルザンヌには、その歴史の面影があった。
しかし、「ミュルザンヌについて尋ねてくるのは、だいたいメディアです。顧客ではありません」とヴァリザーCEOは言う。「私たちは何度も次期モデルについて検討しましたが、かけるコストに見合わない。もはやマーケットはないという結論でした」
スーパースポーツへの注力
それに対して、「スポーティセグメントはまったく逆。マーケットがあります。適切なモデルであれば価格が上がっても顧客はついてきます。私たちがスーパースポーツを出した理由です」と語る。スーパースポーツは限定500台のみが生産される予定で、2026年第4四半期に生産開始、2027年初頭から納車開始予定だ。
「この先もこの路線は大事にしていきます。例えばコンバーチブルを出すのもいいですし、より高性能なモデルだっていいでしょう。特別なモデルには一定の需要がありますから、私たちも1回で終わらせたくないと考えています」とヴァリザーCEOは続ける。
「ベンテイガ」よりコンパクトなBEVの噂
次ページでは、ベントレーの電動化戦略や、ベンテイガよりコンパクトなBEV(バッテリー電気自動車)の噂についても触れられているが、詳細は続報を待ちたい。



