政府は18日、物価高騰の影響を受ける国民生活を支援し、持続的な賃上げを促進するための新たな総合経済対策を閣議決定した。対策の柱は、低所得世帯への給付金支給、ガソリンや電気・ガス料金の補助金延長、そして賃上げを行う企業への税制優遇措置の拡充である。財源は2023年度予算の予備費などから総額約5兆円を捻出する方針。
低所得世帯への給付金とエネルギー補助
低所得世帯に対しては、1世帯あたり3万円の給付金を支給する。また、住民税非課税世帯にはさらに子育て世帯を対象とした加算も検討されている。ガソリン補助金については、現在の上限額(1リットルあたり25円)を維持した上で、年末まで実施期間を延長。電気・ガス料金の激変緩和措置も来年1月以降も継続する方向で調整中だ。
賃上げ促進税制の拡充と中小企業支援
賃上げ促進税制については、従業員への給与総額を前年度比で3%以上増加させた企業を対象に、増加額の一部を法人税から控除する制度を拡充。控除率を現行の15%から20%に引き上げ、中小企業についてはさらに優遇する。また、省エネルギー投資やデジタル化を進める中小企業向けの補助金も新設する。
岸田首相は閣議後の記者会見で、「物価高に負けない経済構造への転換を図る。今回の対策で、国民の生活不安を和らげるとともに、企業の賃上げを強力に後押しする」と述べた。一方、野党からは「一時的なばらまきに過ぎない」「財源の裏付けが不透明だ」との批判も出ている。
今後の課題と経済への影響
今回の対策の効果について、第一生命経済研究所の永浜利広氏は「給付金や補助金は短期的な需要刺激にはなるが、持続的な成長には消費者の購買力向上が不可欠だ」と指摘。また、賃上げ税制の拡充についても「大企業は恩恵を受けやすいが、中小企業への浸透が課題」と述べている。政府は今後、補正予算案を今秋の臨時国会に提出する方針で、与党内では早期成立を目指す。



