米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ議長は28日、米ワイオミング州で開催中の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、インフレ率の高止まりが続く場合には「やるべき仕事がある」と述べ、利上げの可能性を排除しない姿勢を示した。
物価高止まりへの警戒
ウォーシュ氏はFRBの課題について「最も注力すべきなのは、物価の問題だ」と強調。FRBが重視する7月の米個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率は前年同月比3.7%で、6月から横ばいとなり、目標の2%を5年以上上回り続けている。
同氏は足元の物価指標について「基調的なトレンドが大きく改善したように見えなかった」と警戒感を示した。
2%目標の堅持と利上げ辞さず
その上で、2%の物価目標を堅持すると強調し、「物価の安定は自動的に実現されるものではない。FRBの責務だ」と語った。インフレ率が十分な速度で目標に向かっていると確信できない場合は、利上げも辞さない構えを見せた。
一方、雇用は安定しており、米国経済は良好だと分析。AI(人工知能)関連の旺盛な設備投資により、さらに成長が加速する可能性にも言及した。
市場との対話手法の見直し
自身の肝いりで進める市場との対話手法の見直しにも言及した。ウォーシュ氏は議長就任後初めて臨んだ6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、会合後の声明文から金融政策の先行きを示唆する「フォワードガイダンス」と呼ばれる文言を削除した。
この日の講演で、その狙いについて「過度に審議内容を開示し、将来の決定にコミットメント(約束)を行うと、市場を誤った方向に導く恐れがある」と語った。



