米長期金利急上昇で株式市場に波乱、FRB利下げ観測後退も
米長期金利急上昇、株式市場に波乱 FRB利下げ観測後退

米長期金利が急上昇し、株式市場に波乱が広がっている。10年債利回りは4.5%台に達し、年初来の上昇幅は約0.8%ポイントに及ぶ。この背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が後退していることがある。

金利上昇の要因

金利上昇の主因は、堅調な経済指標とインフレの根強さだ。1月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が35万3000人増加し、市場予想を大幅に上回った。また、消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.1%上昇と、FRBの目標である2%を依然として上回っている。

これらのデータを受けて、市場ではFRBが早期に利下げに踏み切るとの見方が後退。CMEグループのフェドウォッチによると、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率はわずか2%に低下し、5月でも20%程度にとどまる。

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株式市場への影響

金利上昇は株式市場に重しとなっている。特に、バリュエーションの高いグロース株やハイテク株が売られている。S&P500種指数は年初来の上昇を一部失い、2月に入ってからはほぼ横ばい。ナスダック総合指数も同様の動きを見せている。

一方、銀行株など金利上昇の恩恵を受けるセクターには買いが入っている。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカの株価は年初来で5%以上上昇している。

FRBのスタンス

FRBのパウエル議長は、最近の講演で「インフレが持続的に2%に向かっているとの確信が得られるまで、利下げは適切ではない」と述べ、慎重な姿勢を崩していない。また、複数の地区連銀総裁も「利下げを急ぐ必要はない」との見解を示している。

市場では、利下げ開始時期は6月以降にずれ込むとの見方が強まっており、年内の利下げ回数も当初の3回から2回に減少するとの予測が広がっている。

今後の見通し

今後の焦点は、今週発表される1月の米小売売上高や2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)などの経済指標だ。これらの結果次第では、金利のさらなる上昇や株式市場の調整が進む可能性がある。

また、米国債の需給悪化も金利上昇圧力となっている。米財務省は大規模な国債発行を続けており、特に長期債の増発が利回りを押し上げている。この動きが続けば、株式市場にとって逆風となる。

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