日本銀行は6月15日、16日の金融政策決定会合で政策金利を0.25%引き上げ、1.00%とした。約半年ぶりの利上げで、インフレ懸念の高まりに対応した金融正常化の一環だ。しかし、依然として低金利であり、日銀は今後も慎重に利上げを続けるとみられる。
金利上昇で得をするのはシニア層、負担増は現役世代
金利上昇は、お金を借りている人(債務者)にはマイナスとなる。変動型住宅ローンの金利支払い負担増加、金融機関の融資金利引き上げや信用審査基準厳格化により、中小企業の資金繰り不安が高まる。多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏は、世代間の経済格差拡大を懸念する。
家計調査などの統計データによると、世帯主の年齢が60歳以上か否かで、貯蓄と負債額に明確な差がある。60歳以上の世帯の平均貯蓄額は2843万円に上る一方、現役世代はローン負担が重い。利上げは、資産運用を行うシニア層にメリットをもたらすが、ローンを抱える若年層や現役世代には金利支払い負担増となる。
世代間格差拡大の懸念
真壁教授は、子育て世代の生活負担が厳しくなる一方、シニア層に特定のメリットが及び、世代間の経済格差が増幅されることを懸念している。金利上昇は、家計の貯蓄と負債の非対称性を浮き彫りにする。
日銀の利上げは、国内景気の低迷に配慮しつつも、物価上昇に対応するための措置だ。しかし、その影響は一様ではなく、世代間の格差を拡大させる可能性がある。今後の金利動向次第では、現役世代の家計負担がさらに増加し、消費や経済活動に影響を与えることも考えられる。



