東京23区で新築マンションの専有面積が年々縮小している。不動産経済研究所によると、2015年に東京23区で販売された物件の平均専有面積は約71平方メートルだったが、2020年には70平方メートルを下回り、2025年には68.7平方メートルとなった。この傾向は続いており、マンションの「小分け」現象が進んでいる。
背景にある価格高騰とデベロッパーの戦略
住宅着工統計によると、戸建てやマンション、賃貸を含む全新築住宅の平均床面積は、1990年代には90平方メートルを超える時期もあったが、その後ピークアウトし、現在は80平方メートルを下回っている。近年の不動産価格高騰を背景に、デベロッパーは価格を抑えるため、より狭い物件を供給する傾向が強まっている。これが平均面積の縮小につながったとみられる。
標準的なファミリー向けマンションにおける物件の間取りは75平方メートル前後の3LDKであろう。しかし現在、都内において中間層の手が届く範囲でこうしたマンションを探すのは難しい。特に23区内では、70平方メートル超の物件は1億円を超え、2億円以上の高額物件も珍しくない。
「3LDKがない」マンションも登場
東京郊外など、不動産価格が比較的低い地域では数件ほど供給こそあるものの、それでも8000万円を超える。住宅ローンは「年収の5~7倍」が目安とされるため、世帯年収1000万円でも手が届かないのが実情だ。
この状況を受け、近年では3LDKの間取り自体を設定しないマンションも増えている。代わりに、1LDKや2LDKのコンパクトな物件を中心に構成し、価格を抑える戦略を取るデベロッパーが目立つ。これにより、ファミリー層は都心部での住まい選びにますます苦戦している。
今後の見通しと影響
専門家は、この傾向が続けば都心部のファミリー向けマンション供給がさらに減少し、郊外や周辺県への人口流出を加速させる可能性があると指摘する。一方で、単身世帯や高齢者世帯の増加を背景に、コンパクトなマンションの需要は引き続き堅調とみられる。
不動産経済研究所は「価格高騰が続く限り、新築マンションの小分け化は避けられない」と分析している。購入希望者は、間取りや面積だけでなく、立地や資産価値も含めた総合的な判断が求められる。



