LIFULLは6月23日、「東京23区 2026年新築マンション平均価格調査」の結果を発表した。同社が運営する「LIFULL HOME'S」に2026年1月~5月に掲載された東京23区の新築マンションを対象に、平均価格を区単位で調査した。
墨田区、荒川区、板橋区、足立区が平均価格1億円を突破
マンション価格はエリアや立地だけでなく、同じ建物でも部屋ごとに価格や面積が異なるケースが多いため、平均価格と1平米(㎡)あたり平米単価を算出し、比較した。2026年の新築マンション平均価格の最高額は千代田区の3億5150万円で、東京23区で唯一の3億円台だった。次いで2億円台のエリアが6区、1億円台のエリアが12区となっている。
本調査の開始以降初めて、墨田区、荒川区、板橋区、足立区の4区で平均価格が1億円を突破した。平均価格が1億円を超えるエリアは東京23区中19区(全体の約8割)に達し、都内における高価格帯エリアが拡大していることが分かった。
平均平米単価は230.5万円、前期比111.3%
平均平米単価は230.5万円、前期比111.3%となった。前期よりも平米単価が伸びた区は18区で全体の約8割を占めている。なかでも最も平米単価が大きく上昇したのは墨田区(前期比174.9%)で、目黒区(同151.0%)、文京区(同141.1%)が続く。
東京23区の新築マンション平均平米価格の価格帯に注目すると50万円単位で7階層に分かれた。2025年の調査は5階層(標準価格帯、中堅価格帯、上位価格帯、高位価格帯、最上位価格帯)だったが、空白となっていた250万円から300万円の「準高位価格帯」、350万円から400万円の「準最上位価格帯」に該当するエリアが登場し、東京23区の平均平米単価の細分化が明らかになった。
千代田区は平米単価427.9万円で最上位価格帯に
東京23区全体では新築マンションの価格上昇が続き、なかでも千代田区の平均平米単価は427.9万円と上昇幅が顕著で、23区で唯一400万円を超える「最上位価格帯」に達した。また、「準高位価格帯(250万から300万円)」「上位価格帯(200万から250万円)」は9区がひしめき合い、年ごとの価格変動が大きく、住宅ニーズの高さがうかがえる。
一方で、「標準価格帯(100万円から150万円)」や「中堅価格帯(150万円から200万円)」にも9区が位置している。平米単価の上昇は比較的緩やかで、都心部の価格急騰が進む中でも住まい購入の検討者にとって現実的な選択肢になっている。
コストプッシュで価格上昇に歯止めかからず
LIFULL HOME'S総研 副所長・チーフアナリストの中山登志朗氏は次のように考察している。「2023年以降定期公表している東京23区の新築マンション価格は、コロナ以降毎年価格が加速度的に上昇しており、今年の東京23区平均は1億6684万円、平均平米単価も230.5万円と昨年の過去最高額を更新し、前年比+11.3%の上昇となった(2025年は20.3%で上昇率自体は縮小)。東京23区の平均価格が1億円を突破するのは4年連続となり、1億円という価格は既成事実化している。また、区ごとに価格を確認しても平均価格が1億円を突破しているのは23区中19区と圧倒的。そのうち2億円を超えているのは7区、なかでも千代田区は3億5150万円と唯一3億円も突破しており、都心周辺の新築マンションは2億円超が当たり前という状況である」
「この異常とも思える価格帯で推移しているのは、主にコストプッシュによるもの。コストプッシュの要因は、1.円安による資材価格の上昇、2.人手不足が深刻な建設従事者の人件費の高騰、3.マンションが分譲される好立地の地価上昇、4.省エネ性能適合義務化による資材品質のコスト上昇。これらに加えて、昨今のナフサショックによって発生した建築資材の調達難と価格上昇もあり、これらの建設コストを積算すれば容易に戸当たりの価格が1億円を突破してしまう」
価格上昇率も尋常ではなく、一部区では下落も
「さらに価格上昇率も尋常ではなく、墨田区が面積比で1.7倍になったのを筆頭に、目黒区1.5倍、文京区と足立区が1.4倍と軒並み急騰しており、価格の上昇は収まる可能性が見通せない。ただし、台東区ではコンパクトマンションの新規供給が中心となって価格および面積単価も下落し、平均価格は6800万円と東京23区では最も安価で、平均平米単価も葛飾区、江戸川区に次いで安い126.2万円である。また、面積単価比で前年割れが5区あり、物件自体も狭域での立地条件が異なるものの、価格の乖離が拡大している状況も見受けられる」
「これまで高額であることで相続税対策や資産の付け替えなどに有利な物件の販売が好調だったが、2025年末の税制改正大綱にマンションの短期売買について、税制上の措置が何らか必要との文言が盛り込まれたことは、投機的な売買を心理的に抑制する効果がある。またナフサショックによる引き渡し時期の後ろ倒しの可能性もあることから、実需以外の需要が今後収束して、高騰を続ける価格が一旦落ち着く可能性も出てきている」



