「浜名湖うなぎ」が国GI登録、全国初のウナギ ブランド価値向上へ期待
浜名湖うなぎがGI登録 全国初のウナギ

農林水産省は10日、浜松市や湖西市など浜名湖周辺で生産される「浜名湖うなぎ」を、地域特産品を保護する地理的表示(GI)に登録したと発表した。県内の農林水産品の登録は5例目で、ウナギの登録は全国初となる。関係者からはブランド価値の向上や産地保護への期待の声が上がっている。

養殖発祥の地、自然環境と歴史が評価

浜名湖は稚魚のシラスウナギが豊富で、温暖な気候と安定した地下水などウナギ養殖に適した環境を持つ。明治30年代に養殖に成功し、「ウナギ養殖発祥の地」として知られる。1971年には水温を人工管理する「加温養殖法」を確立。東海道の中間点で物流拠点であることも追い風となり、一大産地に発展した。

地域の食文化との結びつきも評価された。刻んだウナギとゴボウを甘辛く煮て作る混ぜご飯「ぼくめし」は、養鰻業者の賄い飯として生まれ、現在は郷土料理として定着している。

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関係者「非常にうれしい」と歓迎

浜名湖の養鰻業者でつくる「浜名湖養魚漁業協同組合」(浜松市)の小川博之統括本部長(53)は、「地域の自然や文化と深いつながりを持つことが認められ、非常にうれしい」と声を弾ませた。

浜松市の中野祐介市長も10日の記者会見で「国のお墨付きをもらったことで、『浜名湖うなぎ』のブランド価値がさらに高まると期待している。来たる土用の丑の日は、ぜひGI登録されたウナギで栄養をつけていただきたい」と登録を歓迎した。

厳しい経営環境、新ブランドで打開へ

一方、飼育の難しさや後継者不足のため、かつて400軒を超えていた浜名湖周辺の養鰻業者は30軒を下回った。稚魚の減少や価格高騰も重なり、養鰻業を取り巻く環境は厳しさを増している。

こうした状況を受け、同組合は2024年から肉厚で脂が乗ったメスの養殖ウナギの新ブランド「でしこ」の生産に注力。小川統括本部長は「消費者に安心して食べてもらえるよう、ウナギ文化を守りつつ発展させていきたい」と力を込める。

GI制度とは

GIは「Geographical Indication」の略で、地域特産品の品質保証と産地偽装防止のため国が創設した制度。農林水産品は農林水産省、酒類は国税庁が所管する。GI登録産品が海外で不正表示された場合、相手国に取り締まりを求められる。今回は「浜名湖うなぎ」に加え「加賀れんこん」(石川県)、「日本茶」(日本国)の3品目が追加され、農林水産品の登録は計170品目となった。

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