トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「MIRAI」は、環境性能の高さにもかかわらず、水素ステーションの不足が販売の足かせとなっている。2023年の世界販売台数は前年比で減少し、普及の課題が浮き彫りになった。
販売台数の減少とその要因
2023年のMIRAIの世界販売台数は約3,900台で、前年の約5,000台から20%以上減少した。特に日本国内では、水素ステーションの整備が進まず、販売が伸び悩んでいる。トヨタの関係者は「水素インフラの整備が鍵」と指摘する。
水素ステーションの現状
日本全国の水素ステーションは約160カ所にとどまり、特に地方部では極めて少ない。東京や大阪などの大都市でも、ガソリンスタンドに比べて圧倒的に不足している。このため、ユーザーは給油に不便を強いられ、購入をためらうケースが多い。
今後の展望と課題
トヨタはMIRAIの販売促進策として、水素ステーションの共同整備や補助金の活用を進めている。しかし、コスト面での課題も大きく、1基あたり数億円の建設費が負担となっている。政府も水素基本戦略を掲げるが、具体的な目標達成の道筋は不透明だ。
専門家は「水素社会の実現には、官民連携したインフラ投資が不可欠」と指摘する。トヨタは燃料電池車の技術開発を継続する方針だが、当面はバッテリーEVとの競争が激化し、MIRAIの販売回復は容易ではないとみられる。



