トヨタと日産が水素エンジン開発で協業、EV一辺倒の流れに変化か
トヨタと日産が水素エンジンで協業、EV一辺倒に変化か

トヨタ自動車と日産自動車が、水素を燃料とするエンジンの共同開発で基本合意したことが、複数の関係者への取材で明らかになった。両社は水素エンジンの実用化に向けて、部品の共通化や生産コストの削減で協力する方針だ。これまでEV(電気自動車)一辺倒だった脱炭素技術の流れに、水素エンジンという新たな選択肢が加わることになる。

水素エンジン開発の背景

水素エンジンは、従来のガソリンエンジンをベースに、燃料を水素に変えたもの。燃焼時にCO2を排出しないため、カーボンニュートラルの実現に貢献できる。トヨタはすでに水素エンジン車をレースで実証しており、2024年には市販化を目指している。日産も水素エンジンの研究を進めてきたが、両社の協業により開発加速が見込まれる。

自動車業界では、欧州連合(EU)が2035年までにガソリン車の新車販売を実質禁止する方針を示すなど、EVシフトが急速に進んでいる。しかし、バッテリーの原材料調達や充電インフラ整備などの課題もあり、水素エンジンは特に大型車や商用車での需要が期待される。

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協業の具体的な内容

両社は、水素エンジンの主要部品である燃料噴射装置や点火プラグなどの共通化を検討。また、生産ラインの共有やサプライチェーンの最適化により、コスト競争力を高める。トヨタの関係者は「水素エンジンはEVと並ぶ重要な技術。協業で開発リスクを分散し、早期実用化を目指す」と語る。

日産の広報担当者は「水素エンジンは既存のエンジン技術を活用できるため、移行コストが低い。トヨタとの協業で技術を磨き、持続可能なモビリティ社会に貢献したい」とコメントしている。

業界への影響

今回の協業は、自動車業界の脱炭素技術の多様化を象徴する動きだ。これまでEVに集中していた投資が、水素エンジンにも振り向けられる可能性がある。また、水素エンジンはカーボンニュートラル燃料の一種であり、既存のガソリンスタンドなどのインフラを活用できる利点もある。

一方で、水素エンジンは水素の製造・供給インフラの整備が課題となる。政府は水素基本戦略を策定し、供給拡大を目指しているが、コスト低減が鍵となる。両社の協業が、インフラ投資の呼び水となるか注目される。

トヨタと日産は、水素エンジン車の市場投入時期について、2025年以降を目標にしているという。具体的な車種や販売計画は今後詰めるが、まずは商用車や業務用車両から投入する見通しだ。

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