アメリカ西部ネバダ州の砂漠に、世界初の「ギガファクトリー」と呼ばれるテスラの巨大工場がある。アメリカンフットボールのフィールド33個分もの広さを持つこの工場では、自動車を1台もつくっていない。しかも敷地面積の約3分の2を占めているのは、テスラではなく100年の歴史を持つ日本企業だという。そこでは一体何がつくられているのか。エド・コンウェイ(著)、佐藤優(監訳)『MATERIAL WORLD 世界は「資源」で動かされる』(三笠書房)より、紹介する。
ネバダ州にある、世界でもっとも興味深い建物
ネバダ州北部の砂漠にある山の頂上には、まだ雪が残っている。野生の馬たちがたてがみを揺らして追いかけっこをしながら、丘の中腹を駆け上がったり駆け下りたりしている。谷底にそれがなければ、西部劇のワンシーンにいるのではないかと錯覚してしまうかもしれない。
だが、そうではない。すぐ真下に見えるのは世界でもっとも興味深い建物のひとつである。外から見て何か心が躍るような特徴があるわけではない。ここから見えるのは、太陽光発電のソーラーパネルで覆われ、外壁の上部に赤いラインが引かれた巨大なL字型の建物だけだ。遠くから見ても圧倒されるのはその規模である。アメリカンフットボールのフィールド33個分ほどの広さがある。
しかし、建物の外壁を剥がしてみると、話はおもしろくなってくる。遠目には平らな低層の建物のように見えるが、内部は3階建ての工場スペースとなっており、各フロアの高さは通常の1階分の2倍ある。そして、ここで実際にこの工場で何がつくられているのかがわかる。
自動車を製造しない自動車工場
この工場では自動車を1台も製造していない。敷地面積の約3分の2を占めるのは、テスラではなく100年の歴史を持つ日本企業だ。そこでは何がつくられているのか。詳細は本書に譲るが、この工場が現代の産業革命に近いものとされる理由がそこにある。
表に出てこないひと握りの企業
本書では、チリのリチウムが電池に生まれ変わる過程や、エジソンとフォードがもたらした瞬間、電池製造がカセットテープと似ていること、ソニーが電池のリーダーになれた理由などが語られる。また、「何をつくるかより誰がつくるか」という視点から、表に出てこないひと握りの企業の存在が浮き彫りになる。
本稿は、エド・コンウェイ(著)、佐藤優(監訳)『MATERIAL WORLD 世界は「資源」で動かされる』(三笠書房)の一部を再編集したものです。



