コロナ禍で急増した現金保有、家計の金融資産が過去最高を更新
コロナ禍で現金保有急増、家計金融資産が過去最高に

2024年3月末時点の家計金融資産が過去最高の2199兆円に達したことが、日銀の資金循環統計で明らかになった。前年同期比で3.7%増加し、2年連続で過去最高を更新した。特に現金・預金が前年比4.2%増の1114兆円と全体の約半分を占め、コロナ禍以降の安全資産志向の強まりが顕著に表れた。

現金・預金が過去最高、安全資産志向続く

現金・預金は2020年3月末の1038兆円から4年連続で増加し、1114兆円に達した。コロナ禍で外出自粛や消費抑制が進み、家計の貯蓄率が上昇したことが背景にある。日銀の担当者は「家計のリスク回避姿勢が長期化している」と指摘する。

一方、株式や投資信託などのリスク資産も増加した。株式等は前年比6.8%増の213兆円、投資信託は同9.5%増の107兆円となった。株価上昇やNISA制度の拡充が寄与したとみられる。ただし、現金・預金の増加ペースがリスク資産を上回っており、家計の資産構成は依然として安全志向が強い。

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保険・年金準備金も増加、高齢化の影響

保険・年金準備金は前年比2.3%増の534兆円と堅調に推移した。高齢化の進行に伴い、年金や医療保険への積み立てが増えている。日銀の統計では、家計金融資産の約4分の1を占める。

また、債券は前年比0.8%減の28兆円と微減した。低金利環境下で債券の魅力が低下していることが要因とみられる。家計の金融資産全体の増加は、資産効果を通じて個人消費を下支えする可能性があるが、現金・預金への偏りが続けば、消費や投資への波及効果は限定的との見方もある。

今後の見通しと課題

日銀の統計は、家計金融資産が今後も緩やかに増加すると予測する。ただし、物価上昇や金利動向によって家計の資産選好が変化する可能性がある。専門家は「家計のリスク資産へのシフトを促すには、金融リテラシーの向上や税制優遇措置の拡充が重要」と指摘する。

今回の統計は、コロナ禍が家計の資産形成に与えた影響を改めて浮き彫りにした。現金・預金の増加は短期的な安心感をもたらす一方、長期的な資産形成の観点からは課題も多い。今後の金融政策や経済環境の変化が家計の行動にどう影響するか注目される。

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