ドイツ財政拡張で国際競争力低下、クラウディングアウト懸念
ドイツ財政拡張で国際競争力低下、クラウディングアウト懸念

2026年7月、メルセデス・ベンツ・グループは一部車両生産をハンガリー工場に移管。コストはドイツの半分以下だという。

予算拡大とともに、政府借入金も前年比21%増へ

フリードリヒ・メルツ首相が率いるドイツの保革連立政権は7月6日、2027年の連邦予算案を閣議決定した。27年の通常予算の規模は5554億ユーロと、26年から5.9%増加する。うち防衛費は1097億ユーロと、26年の827億ユーロから32.6%も増加する。28年以降も、防衛費を中心に連邦予算の拡大が続く計画だ。

同時に、借入金も増やす計画である。具体的には、27年の借入金は1187億ユーロと前年比で21%増加する。借入金が予算全体に占める割合は27年に21%となるが、30年には26%へ上昇する見通しだ。メルツ政権は借入依存を強めるかたちで防衛費を中心に財政拡張を行うようだ。

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一段のコスト増がドイツの輸出を苦しめる

この財政拡張がドイツ経済に与える影響について、クラウディングアウト効果が懸念される。政府の借入需要が金利を押し上げ、民間投資を抑制する可能性がある。また、ユーロ安効果も薄れ、ドイツの国際競争力は一段と低下している。

メルセデス・ベンツの生産移管はその象徴的な事例であり、ドイツ国内の高コスト構造が企業の海外移転を加速させている。

本当に防衛費は増額し続けるのか

防衛費の増額は、地政学的リスクへの対応として掲げられているが、財政持続可能性への疑問も浮上している。借入依存が続けば、将来的な税負担増や経済成長の鈍化につながる恐れがある。

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