東京電力は、福島第一原子力発電所にたまる処理水の海洋放出について、2023年8月の開始以降、計画通りに進めていることを明らかにした。処理水は、溶融した核燃料を冷やすために使われた水や、地下水などが混ざったもので、放射性物質を除去する多核種除去設備(ALPS)などで浄化した後、海水で薄めて放出している。
放出の進捗と貯蔵タンクの状況
東京電力によると、2024年3月時点で、処理水の放出は第4回目まで完了し、累計で約3万1200トンを放出した。敷地内の貯蔵タンクには、依然として約128万トンの処理水が残っているが、放出を続けることで、タンクの数を減らしていく計画だ。
放出に先立って、処理水は海水で100倍以上に薄められ、トリチウム濃度は1リットルあたり1500ベクレル未満に抑えられている。これは、国の基準値である1リットルあたり6万ベクレルを大きく下回る値だ。
国際的な監視と今後の課題
処理水の放出については、国際原子力機関(IAEA)が常駐スタッフを派遣し、放出状況やモニタリング結果を確認している。また、日本政府と東京電力は、放出の安全性を説明するための情報発信を継続している。
一方で、中国は日本産水産物の輸入停止措置を続けており、処理水放出に伴う風評被害への懸念も残る。東京電力は、今後も安全を最優先に、放出計画を進めるとともに、国内外への丁寧な説明を続ける方針だ。



