福井県の石田嵩人知事は14日、県議会の予算決算特別委員会で、関西電力が県内の原子力発電所敷地内に設置を計画する使用済み核燃料の「乾式貯蔵施設」について、着工に必要な県の事前了解の判断を現時点で見送る考えを示した。理由として、核燃料サイクルの中核を担う日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)の完成時期が遅れる可能性があることを挙げた。
判断見送りの背景
石田知事は委員会で、「工場完成に向けた取り組みについて、国と事業者から具体的な考え方が示されるべきだ。現時点で判断時期を示すことは困難」と述べた。再処理工場の完成見通しが不透明な中、乾式貯蔵施設だけ先行させることに慎重な姿勢を示した形だ。
関電の対応と県内原発の状況
福井県内で稼働する美浜、大飯、高浜の各原発では、使用済み核燃料が増え続けている。関西電力は2023年10月、乾式貯蔵施設の設置検討を含む燃料搬出工程表を県に提示していた。乾式貯蔵施設は、使用済み核燃料を金属製の容器に封入し、空気冷却で保管する方式で、プール貯蔵に比べて長期間の保管が可能とされる。
事前了解の条件と経緯
県はこれまで、原子力規制委員会で再処理工場の設計・工事計画の説明が終了した段階で、乾式貯蔵施設の事前了解を判断する方針を示していた。この説明は先月、規制委員会で終了していたが、知事は再処理工場全体の進捗を踏まえた判断が必要と強調した。
今後の影響
今回の判断見送りにより、関西電力の使用済み核燃料管理計画に遅れが生じる可能性がある。県内原発では使用済み燃料プールの貯蔵容量が逼迫しており、乾式貯蔵施設の早期着工が求められていた。一方、再処理工場の完成時期が未定であることから、県として核燃料サイクル全体の整合性を重視した姿勢を示した形だ。



