米研究団体クライメート・セントラルは15日、人間活動による地球温暖化が原因で失われた睡眠時間が、世界の主要都市で過去50年間に倍増したと発表した。1970~75年の年平均2時間から、2020~25年には5時間に増加したという。
睡眠損失の推計方法
調査は世界の1338都市を対象に実施。気温と睡眠の関係に関する既存研究に基づき、各日の最低気温などから失われた睡眠時間を推計。温暖化の影響を除いた場合、夜の暑さによる睡眠損失は1970~75年と2020~25年でほぼ変わらなかったことから、増加分は温暖化に起因すると結論づけた。
2020~25年の期間では、都市あたり年平均で約50時間の睡眠が失われ、そのうち5時間が温暖化によるものだった。睡眠は健康維持に不可欠で、不足すると認知機能や免疫機能に悪影響を及ぼすと専門家は指摘する。
地域別の影響
地域別では、中東のサウジアラビア、オマーン、アラブ首長国連邦(UAE)で影響が顕著。これらの国々では年間55~87時間の睡眠が失われ、うち12~16時間が温暖化の影響と推定された。
日本国内では、大阪で年間45時間(温暖化要因6時間)、名古屋で43時間(同6時間)、京都で40時間(同5時間)の睡眠損失が報告された。
健康への影響と今後の課題
クライメート・セントラルは「温暖化が進行すれば、睡眠損失はさらに増加する可能性がある」と警鐘を鳴らす。特に高齢者や子ども、持病を持つ人々は暑さの影響を受けやすく、対策が急務とされる。都市部ではヒートアイランド現象も重なり、夜間の気温低下が妨げられるため、緑化や断熱材の活用など都市計画の見直しも求められる。



