H3ロケット、信頼性確立へ進化続く 年7機打ち上げ目指す
H3ロケット、信頼性確立へ進化続く 年7機打ち上げ目指す

日本の主力大型ロケット「H3」が、世界市場で選ばれるロケットを目指し、さらなる進化を続けている。打ち上げ頻度を高め、長年の難題だった主エンジンを改良。より重い衛星を運べるよう第2段機体の強化も視野に入る。一方、昨年12月の8号機失敗が突きつけた信頼性の確立は最優先課題だ。今年8月に9号機で実用衛星の打ち上げを再開した今、顧客ニーズに合わせたロケットへどう育てるか。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の有田誠プロジェクトマネージャが産経新聞の取材に応じ、「H3の将来像」を語った。

最優先は「信頼性」

H3が目指すものは「高信頼性・低価格・柔軟性」だ。このうち今、最優先すべきものは何か。有田氏は「あえて挙げるならば、信頼性の確立と実証の積み重ねだ」と答えた。

8号機は、衛星を載せる台座の不具合で失敗した。台座の接着方式は、H3開発時に生まれた新しいアイデアだった。先代H2Aのボルトとナットによる固定からパネル同士の接着に変えたが、8号機は接着不良で台座が飛行中に損傷、破壊。9号機ではボルトとナットで固定する方式に戻した。

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有田氏は「まずは合格点」と評価したが、将来にわたって使い続けると決まったわけではない。接着方式は軽く、コストを抑えやすい。一方、ボルト方式は品質を安定させやすい。有田氏は「どちらを選んでいくのか、あるいはさらにいいものを目指すことができるのか」とし、よりよい方法を探る。

新技術とリスクの両立

H3は、完成形を固定して使い続けるロケットではない。9号機でも新しい速度センサーや、飛行の安全を機体側が自動で判断する仕組みを試し、正常に機能した。しかし、新技術は新たなリスクも生む。有田氏は「新しいものを取り込めば落とし穴もある」と、8号機の教訓をかみしめる。

年間7機の打ち上げを目指し、発射場の増強も進められている。顧客の多様なニーズに応えるため、H3は今後も改良を重ね、世界市場での存在感を高めていく方針だ。

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