光合成をやめて他の植物の根に寄生してくらすリュウキュウツチトリモチの種子を、オカヤドカリが運んでいることを、神戸大学の末次健司教授が突き止めた。オカヤドカリを利用した種子散布の報告は初めてだという。論文が国際誌に掲載された。
林床で観察、約10時間の直接観察とカメラで確認
リュウキュウツチトリモチは、暗い森の地表面「林床」で、光合成はせず他の植物の根に寄生してくらす。果実は0.3ミリほどの大きさで、これまでは風で運ばれると考えられていた。ただ、果実は丸く、風を受けて運ばれやすい形状ではなく、林床という場所も決して風通しがいいとは言えない。
末次さんは2024~26年の冬季に沖縄県の石垣島で調査を実施した。計約10時間の直接観察を行うとともに、一定の間隔で自動撮影をするカメラによる計約90時間分のデータを集めた。
果実は主にオカヤドカリが食べる
その結果、リュウキュウツチトリモチの果実は主にオカヤドカリに食べられていた。雑食性で、その名の通り、海辺だけではなく森の中などでもよく見られるヤドカリだ。
果実を食べているヤドカリの体や背負っている貝殻には、平均86個の果実が付着していた。また、食べられた後にフンと一緒に出てきた種子には発芽能力が残っているものが20%程度含まれていた。
今後の研究への展望
末次さんは、「ツチトリモチの仲間ではヤドカリによる種子散布がどのくらい一般的なのか、また他にも意外な散布者がいるのか、さらに調べてみたい」と話している。



