脳科学・AI研究者の黒川伊保子氏が、脳の成長ステージに合わせた親子の関わり方について解説。英語早期教育の弊害について、3歳までは母語での関わりが重要だと指摘する。
英語早期教育のリスクとは
「3歳までは、親の母語で一貫して接することをおすすめします」と黒川氏は述べる。人生で最初に獲得する言語=母語は、ミラーニューロンを使って周囲の人の表情や所作、心の動きと共に獲得される。そのため、語感や言い回しが気分や気持ちと直結した特別な言語となる。この世界観が確立する2〜3歳までは、他言語を“強制”することは得策ではないという。
自然な環境なら問題なし
ただし、家族に異なる母語の使い手がいる場合は自然に接して問題ない。いずれもネイティブであれば、心と語感が一致しているからだ。また、外国語を遊びとして楽しむ分には問題ないが、「課題を与える」などの訓練は、この時期の脳の言語獲得の特性からマイナスに働く可能性がある。
母語喪失の危険性
母語がうまく確立できない状態を「母語喪失」と呼ぶ。気持ちを言語化できずに、コミュニケーションや感情制御に悩みを抱えがちになる。黒川氏は「母語は思いのほか大切です」と強調する。
本稿は『プレジデントFamily 2026春号』の一部を再編集したもの。



