ノーベル賞受賞者・坂口志文さんと北川進さん、東大で中高生に「納得するまで研究」「異分野挑戦」と助言
ノーベル賞受賞者、東大で中高生に研究への情熱語る

ノーベル賞受賞者が東大で中高生にメッセージ

2026年7月12日、東京都文京区の東京大学安田講堂で、ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「次世代へのメッセージ」(読売新聞社主催、日本電子協賛)が開催された。昨年ノーベル賞を受賞した大阪大学の坂口志文特任教授(生理学・医学賞)と京都大学の北川進特別教授(化学賞)が登壇し、「未知なるものを追い求め」をテーマに基調講演とパネル討論を行った。

会場には中高生ら約850人が集まり、講演の模様はオンラインでも配信された。坂口氏は、自身が発見した過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞(Tレグ)」について説明し、「将来は病気の治療や臓器移植がより安全になる。どんな国でもがんに対する免疫治療が可能になる」とその可能性を語った。研究を振り返り、「自分が納得するまで研究し続けることが大事だ。当時は批判も受けたが、研究を磨いて考え抜いてきたので、間違いはないと確信していた」と述べ、若い世代に粘り強い研究姿勢を促した。

北川氏は異分野挑戦の重要性を強調

気体を貯蔵・分離できる多孔性材料「金属有機構造体(MOF)」の開発で受賞した北川氏は、「MOFを使えば、どこにでもある空気から資源を回収できる。どんな小さな国でもみんなが平等に資源を扱えるようになる」と、環境・資源問題への貢献を強調。開発の経験から「違う分野を見たら、新しいことが考えられる。力を持った上で違う分野に行くのは成功する一つの道だ」と参加者に助言した。

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また、1973年物理学賞受賞者の江崎玲於奈・茨城県科学技術振興財団理事長も収録映像で参加し、「自由闊達な自分であってこそ独自の創造力が発揮できる。初々しい感性と飽くなき好奇心を失ってはいけない」と、研究に臨む心構えを説いた。

電子顕微鏡体験で科学への興味を喚起

協賛社の日本電子は世界有数の電子顕微鏡メーカーであり、会場では電子顕微鏡を使った観察体験も実施された。同社の大井泉社長は「最先端研究の現場で、欠かすことのできない存在として高い評価を頂いている。普段目にすることのできない1000万分の1メートルという極微の世界を体感していただくことで、理科への興味や科学に親しむ心を育んでほしい」と述べた。

フォーラムは、次世代を担う若者たちに科学研究の魅力と重要性を伝える貴重な機会となった。

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