今年のノーベル化学賞の受賞が決まった硤合憲三・東京理科大栄誉教授(76)が20日、東京都内で講演し、授賞理由となった化学反応「不斉自己触媒反応」が生命の起源に迫る謎とどう関係しているかを解説した。日本化学会が主催し、オンラインも含め約2200人が講演を聞いた。
生命の部品に潜む鏡像の謎
生命の部品となるアミノ酸や糖には、原子の種類や数は同じでも右手と左手のように鏡映しの関係になっている構造がある。ただ、生命が使う分子は右手型か左手型のいずれかに偏り、その原因は謎だった。
「逆の構造では生命活動を維持できない」
硤合氏は講演で「逆の構造が使われると生命活動を維持できない」と語り、不斉自己触媒反応では右手型と左手型をもつ触媒が自らをそれぞれ増やし、最終的に片方の生成物がほぼ100%になるとした。