航空機レーザー測量の地形図公開で兵庫県内に新たな城跡発見相次ぐ
航空機レーザー測量の地形図公開で兵庫県内に新たな城跡発見相次ぐ

兵庫県は、航空機によるレーザー測量データを基に作製した高精度の地形図を一般公開している。この地形図によって、これまで史料や地名を頼りに探していた山城の跡を地図上で特定できるようになり、県内で新たな城跡の発見が相次いでいる。

県立考古博物館(播磨町)学芸員の永惠裕和さん(40)は「尾根が不自然に切れているところで山城の跡が見つかることが多い」と話す。地形図は50センチ間隔で地表の高低差をとらえており、土塁や土橋、堀など山城の跡を特徴付ける起伏も確認できる。2025年には、たつの市の山間部でそれらしき起伏を見つけ、現地調査の結果、南北朝時代のものとみられる山城の跡を確認した。

「デジタル踏査」で地図上に城跡の候補

永惠さんは、この手法を「デジタル踏査」と呼び、「これまで史料や口承、あるいは地名を頼りに探し出していた城館跡を地図上で見当が付けられるようになった。今後、県内だけで新たな山城の跡が100以上見つかる可能性だってある」と話す。

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県は2020年、全国の都道府県に先駆けて県全域の「高精度3次元地理空間データ」を一般向けに公開した。このデータは、おもに都市計画、土木、防災、林業などの分野で活用されてきたが、山城や古墳の遺跡調査などへの応用も促されている。

愛好家も活用、SNSで発見報告も

朝来市議の横尾正信さん(76)は、このデータを山城の「捜索」に活用している一人だ。この2年間に同市内の山域数か所に山城とみられる痕跡を見つけ、現地に確認に出向いたという。横尾さんは「今までは麓から山の形を見て、『あの辺りに山城があったのでは』と推理していくしかなかった。地図上で当たりを付けられるのは革命だ」と話す。

SNSでは、県の公開したデータで播磨や淡路などの地域で山城を見つけたという投稿が目立つ。

遺跡地図への登録と地域の歴史議論

現在、県内にある城館遺跡は、姫路城や竹田城など国の史跡となっているのが22か所。県が定期的に更新する遺跡地図(2020年版)には、古代の山城から近代の台場まで1337か所の城館遺跡が登録されている。その数に、測量データをきっかけに見つかった山城のいくつかが加わろうとしている。

永惠さんは「実際に山の中の城跡が、遺跡地図に登録されるかは、市町の職員による現地確認や、場合によっては発掘調査も必要になり、そう簡単ではない」と説明する。その上で「それでも、あそこに城があったとかないとかの議論を、より多くの人が加わって繰り広げる。そこのこと自体に大きな意義があり、地域の歴史を読み解いていくことにつながっていく」と話している。

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