米国と中国の気候変動担当高官は20日、気候変動対策における協力を強化するため、実務作業部会を新設することで合意した。両国は世界の温室効果ガス排出量の約40%を占めることから、国際社会の気候目標達成には連携が不可欠とされる。
実務作業部会の役割
新設される作業部会は、排出削減目標の進捗状況の確認やクリーンエネルギー技術の協力促進を主な任務とする。両国はまた、2025年に予定される次期国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)に向けて、協調した取り組みを進める方針で一致した。
米国のジョン・ケリー気候問題特使は「気候変動は一国だけでは解決できない課題だ。中国との協力は極めて重要」と述べ、中国の解振華気候変動問題特使も「両国が協力すれば、世界の気候目標達成に大きく貢献できる」と応じた。
具体的な合意内容
合意文書では、両国が「パリ協定」の目標達成に向けて、2030年までの排出削減目標の強化や再生可能エネルギーへの移行加速で協力することが明記された。具体的には、太陽光や風力などのクリーンエネルギー導入目標の共有や、二酸化炭素回収・貯留技術(CCS)の共同研究を進める。
また、メタン排出削減でも協力を強化。米国は2023年に発表した「メタン排出削減行動計画」に基づき、中国に対しても同様の計画策定を促す。両国は石油・ガス部門からのメタン漏洩対策で技術協力を行う予定だ。
国際社会への影響
今回の合意は、米中関係が対立を深める中での協調姿勢として注目される。両国は貿易や先端技術を巡り激しく対立しているが、気候変動分野では協力の余地があることを示した形だ。環境団体は「実効性のある協力が期待される」と歓迎する一方、排出削減の具体的な数値目標が示されなかった点を課題として指摘する。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「米中の協力は気候危機への希望の光だ」と歓迎の声明を発表した。EUも両国の動きを注視しており、今後の国際交渉に影響を与える可能性がある。



