国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は15日、最新の報告書を公表し、今世紀末までに世界平均の海面が最大で約1.5メートル上昇する可能性があると警告した。これは、これまでの予測を上回る深刻な数値であり、沿岸地域の大規模な浸水や人口移動のリスクが高まるとしている。
排出量削減の遅れが影響
報告書によると、温室効果ガスの排出が現在のペースで続けば、2100年までの海面上昇は0.5~1.5メートルに達する。IPCCの第一作業部会共同議長であるバレリー・マッソン・デルモット氏は「排出削減が遅れれば、海面上昇はさらに加速する」と指摘。また、南極やグリーンランドの氷床の融解が主な要因とされる。
気候モデルを用いた分析では、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えるパリ協定の目標を達成しても、海面上昇は完全には止まらず、今世紀中に約0.5メートルの上昇は避けられないと予測される。
日本への影響も深刻
日本では、東京や大阪などの大都市圏で高潮や浸水のリスクが増大する。国土交通省の試算では、海面が1メートル上昇した場合、東京湾岸の約4割が浸水する可能性がある。また、太平洋上の島国では国土の消失も懸念される。
環境省の担当者は「日本も対策を強化する必要がある。防潮堤の整備や土地利用の見直しが急務だ」と述べている。
国際社会の対応課題
報告書は、各国に対し、温室効果ガスの排出量を2030年までに半減するよう求めた。しかし、現状の削減目標では不十分で、今後の国際交渉が鍵を握る。IPCCは「今世紀末までに海面上昇を0.3メートルに抑えるには、今すぐ行動を起こす必要がある」と強調している。



