空飛ぶクルマの実用化が現実味を帯びてきた。SkyDriveが開発する3人乗り電動垂直離着陸機(eVTOL)「SD-05」は、2028年の商用化を目標に、国土交通省からの型式証明取得プロセスで4段階目に入っている。同社はこれまでに約300回のフライトを実施し、技術的な成立を実証。さらに、2026年4月には航空機設計検査認定事業場(ADO)の認定を国内の空飛ぶクルマメーカーとして初めて取得し、認証プロセスを加速させている。
機体性能と冗長設計
SD-05はパイロット1人と乗客2人の計3人乗りで、12基の電動ローターを搭載する。1基が停止しても飛行を継続でき、2基が停止しても安全に帰還可能な冗長設計を採用。上空150メートルを飛行する際の地上騒音は65デシベルで、自動車が近くを通るよりも静かだと同社は説明する。製造はスズキと提携し、静岡県磐田市のスズキ工場の一部に生産拠点を整備している。
型式証明の進捗状況
商用化の最大の関門は国土交通省からの型式証明取得だ。SkyDriveは2021年10月に申請を受理され、現在は全6段階のうち4段階目「証明計画」の策定に入っている。プロセスは申請受理→適用基準の合意→証明手法の合意→証明計画の合意→試験・解析→適合性証明の順で進む。学校の試験に例えれば、出題範囲を決め、解き方を決め、受験日程を組んでから本番に臨むような流れだ。
証明手法は95%まで合意し、証明計画では全体方針にあたるジェネラル・サーティフィケーション・プランについて航空局と合意済み。残る個別分野の計画を一つずつ詰めている段階だ。2026年4月にはADO認定を航空局から取得し、一部の検査を自社で実施できるようになった。ADOを取得した企業は三菱重工業やSUBARU航空宇宙カンパニーなど5社のみで、空飛ぶクルマメーカーとしては国内初となる。
日米同時認証と離着陸場構想
米国連邦航空局(FAA)にも型式証明を申請しており、日米間の二国間航空安全協定(BASA)に基づき、日本の航空局が主導して認証を進め、FAAが同時に審査する。また、ビル屋上の「Hマーク」を離着陸場として活用する構想も進めており、都市部での運用を見据えたインフラ整備も視野に入れている。



