鶏の飼育環境で卵の味が変化、平飼いとケージ飼いで成分に差 東京農工大など発表
鶏の飼育環境で卵の味が変化 平飼いとケージ飼いで成分に差

東京農工大などの研究チームは、同じ餌で鶏を育てても、飼育環境によって卵の成分や味が変わると発表した。狭いケージに入れる「ケージ飼い」と、鶏舎内を自由に動き回れる「平飼い」を比べたところ、プリンなどに調理した際の味に違いがみられた。論文は科学誌に掲載された。

飼育環境の違いと実験方法

チームは、生後17週の鶏をケージ飼いと平飼いに分け、温度や照明をそろえた部屋で、同じ餌を与えて育てた。ケージ飼いは一つのケージに5羽ずつ、平飼いは床に木くずを敷いた囲いで12羽を飼育。1羽あたりの床面積は、平飼いの方が約12.5倍広かった。

卵の成分と味の違い

平飼いは、鶏が歩き回ったり羽ばたいたりできるなど、アニマルウェルフェア(動物福祉)に配慮した飼育方式だ。日本ではケージ飼いが主流となっている。

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チームが37週飼育した結果、ケージ飼いの卵に含まれる脂肪酸は平飼いの1.5倍。一方、平飼いの卵はうまみ成分の「グルタミン酸」や「アスパラギン酸」、甘み成分の「セリン」がケージ飼いの1.5倍だった。

プリンの試食評価と今後の展望

これらの卵を使ってプリンを作ったところ、292人中約22%が平飼い卵を「コクが強くておいしい」、約21%がケージ飼い卵を「クリーミーでおいしい」と評価した。チームの新村毅・同大教授(動物行動学)は「料理や食の選択肢が増えるのではないか」と話す。

石川伸一・宮城大教授(分子調理学)は「アニマルウェルフェアへの対応が食味に直結することを、分子レベルで証明した研究だ。平飼いの卵はだしや素材の味を生かす料理に合いそうだ」とコメントしている。

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