血液がんの一種「多発性骨髄腫」の患者と家族が集まり、トランプのようなカードを使って思いを語り合うイベントが9月26日、出雲市民会館(塩冶有原町)で開かれた。
治療の進歩と家族の負担
多発性骨髄腫は、血液細胞の一種ががん化し、貧血や感染症のリスクが高まったり、骨がもろくなったりする病気。治療の進歩で、患者が病気と付き合いながら長く暮らすことが可能になってきたが、患者を支える家族らの心身に負担がかかることも少なくない。
こうした現状を踏まえ、多発性骨髄腫の治療薬の開発や販売を行う米製薬大手「ファイザー」が、血液がんの啓発月間(9月)にあわせ、患者や家族が気軽につながる場を作って支援したいとイベントを企画。県立中央病院の協力を得て全国で初めて実施した。
カードで広がる対話
イベントには、この病気の治療にあたる県立中央病院の若山聡雄医師や看護師、薬剤師のほか、患者や家族14人が参加。ファイザー社が作った「つながりの種カード」を使った。
カードには「病気について気になっていること」「自分を動物に例えると」「昔好きだったアイドルは」などと、病気の関連から無関係な内容まで様々な事柄が書かれている。参加者は手元に配られた数枚のカードから話題にしたいことを選んで思い思いに語り合い、交流を深めた。
参加者の声
出雲市の患者の女性(79)は「一歩を踏み出すのが怖かったけど、こんなに多くの仲間がいると知ってほっとした」とほほえんだ。娘(54)は「家ではなかなか言えないこともカードを使ってみなさんに聞いてもらいながら、母にも伝えられた」と語った。若山医師は「同じ病気の人の話を聞くことは、患者さんにとって非常に意義がある」と話した。