高橋文哉、ドラマ『Tシャツが乾くまで』で演じる矢野直人の自己嫌悪とギャップに言及、共演者とのエピソードも
高橋文哉、ドラマ『Tシャツが乾くまで』で演じる矢野直人の自己嫌悪とギャップに言及

俳優の高橋文哉が、TBS系ドラマ『Tシャツが乾くまで』で自身が演じる矢野直人についてインタビューに答えた。同作は生方美久氏脚本の完全オリジナルストーリーで、バス事故をきっかけに日常が崩れた2組の夫婦の喪失から始まる愛と秘密を描く。高橋演じる直人は、主人公・瀬尾咲子(蒼井優)の夫・充(松山ケンイチ)がオーナーを務める喫茶店「ひこうき」の従業員。一見社交的だが、実はドライな性格で、第3話では充と連絡を取りながらも咲子を心配する姿が描かれた。

「自己嫌悪が強い人物」と分析

高橋は直人について、「僕が今まで演じたことがないような人物です。他人と一定の距離を置いている、いわゆる少し体温の低いロートーンですが、その瞬間に思ったこと、言いたいことをパッと口にしてしまうところがあるので、自分の感情にすごく正直なのだと思います」と説明。「自分の中での怒りの沸点が分かっていないので、言ってしまったことに対して『何が正解だったんだろう』と向き合いながら、人との関係に線引きをしてきたんだと感じています」と続けた。

また、直人の不器用さについて問われると、「直人は不器用というより、“自己嫌悪が強い人物”なのかなと捉えています」とコメント。「周りからは『直人くんって意外とちゃんとしているよね』と言われるタイプだけど、直人自身は『俺のどこがちゃんとしているんだろう』と思っている、みたいな。“他者から見た直人”と、“直人自身が見ている自分”の評価にギャップがあると感じているところを大事にしながら演じています」と明かした。

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役作りのプロセス

さまざまな人物と二人きりで話すシーンが多いことについては、「誰とのシーンでも『直人はこの人のことをどう思っているんだろう』と考えます。台本にもいろいろ書き込んでいます。例えば樹生とのシーンでは、まず“嫌い”と簡単な感情を書きます。それから『何で嫌いなんだろう』と派生させていき、突き詰めていったことを書き込んでいます」と役作りのこだわりを語った。

さらに、「周囲の人が隠している部分を知っているけれど、知らないふりをしたり、少しだけ知っている体で話をしたり」と、直人の複雑な心情を表現。相手に悟られないようにしながらも顔に出てしまうため、相手の目を見られなくなるという演技のポイントも紹介した。

共演者への感謝

主演の蒼井優については、「直人から見る咲子さんは、この作品的には“フィルターがかかっている”と僕は思っているのですが、そのフィルターがたぶん僕の中にもあるんです」と語り、撮影現場では蒼井の明るく士気を上げる姿や、共演した番組での真剣な姿に触れ「とても真っすぐで、素敵な方だと思いました」と敬意を示した。

中島歩については、「とてもストイック」と評し、自身の意見を聞いてくれる姿勢に感謝。「お互い凝り性で、中島さんは得意分野の話になると、一つ聞いたら130個くらい答えが返ってくるんです。しかも僕の話もしっかり聞いてくださって、ちゃんと受け入れてくださる。すごく素敵な先輩です」と述べた。

松山ケンイチについては、「ご本人自体にとてもキャラクター性がある方。そこから芝居をするとなった途端、いろいろな役柄に瞬時に切り替わる様がとにかくすごい」と称賛。他番組で「面白くしたいな、どうしようかな」と小声で言っていたエピソードを紹介し、「瞬発力と突発的な爆発力がある方なので、見習っていきたいです」と語った。

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脚本の魅力と今後の見どころ

生方美久氏の脚本については、「ひとつひとつのセリフが『そのシーンのみ』『前後合わせた3つのシーン』『1話全体』と見方を変えることで、持つ意味が変わってくる印象を受けました」とコメント。「直人は毎話たくさんのシーンに出ているわけではなく、大事な場面で登場するキャラクターだと捉えています。生方さんが、作品の中で“温度を変えるグラデーションの分かれ目”として直人を置いてくださっているなと感じています」と分析。

最後に、作品の見どころとして「このドラマは“誰の主観で見るか”が鍵なのではないか」と指摘。「直人としては、今後他の登場人物とどのように関わっていくのかを楽しみにしていただきたいです。低体温の部分が欠けてきて、直人の本質がペロッとめくれるような瞬間を見ていただけたらうれしいです」と視聴者にメッセージを送った。

なお、TVerでは高橋演じる直人が主役の『「Tシャツが乾くまで」サイドストーリー』が配信中。喫茶店「ひこうき」を舞台に、本編の裏側で行われていた“秘密のひととき”が描かれる。