NHKは16日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同開発したスーパーハイビジョンカメラ(8K・4Kカメラ)を搭載する火星衛星探査機「MMX(Martian Moons eXploration)」を20日に種子島宇宙センターからH3ロケット10号機で打ち上げる予定だとし、今後の撮影計画の見通しについて発表した。
MMX探査機とカメラの概要
MMXは火星の衛星の起源や火星圏がどのように形成・進化してきたのか、明らかにすることを目指す探査計画。火星とその衛星「フォボス」と「ダイモス」を科学観測するとともに、探査機をフォボスに着陸させ、表面の物質を採取して地球へ持ち帰る「サンプルリターン」に挑む。
NHKは、火星圏に向かう探査機からの眺めや、火星への接近、フォボスへの降下・着陸など、MMXが挑むミッションを超高精細な8K・4K画像で記録する。取得した画像を映像化し、放送などを通じて伝えることを目指す。探査機の進行方向を撮影する8Kカメラと、側面方向を撮影する4Kカメラの2台を搭載。ロケット打ち上げ時の振動・衝撃や宇宙空間での過酷な環境に耐える設計となっており、JAXAの規定に基づく耐環境試験をクリアしている。
撮影目標と打ち上げ概要
8Kカメラは、火星および火星衛星の高精細撮影やフォボスへの着陸時の撮影、4Kカメラは、フォボスへの着陸および着陸後の表面撮影などを主な目標としている。NHKとJAXAは、火星と火星衛星を間近から8K・4Kで記録し、実際の飛行データなどと組み合わせて、MMXの探査の姿を臨場感のある映像として伝えることを目指す。
打ち上げ予定日は2026年10月20日(火)、打ち上げ予定時刻は4時41分03秒(日本標準時、24時間表記)。打ち上げ予備期間は2026年10月21日(水)から2026年11月7日(土)まで。打ち上げ場所は種子島宇宙センター大型ロケット発射場で、H3ロケット10号機を使用する。予備期間中の打ち上げ時刻は打ち上げ日ごとに設定され、打ち上げ日時は天候や準備状況などにより変更される場合がある。
打ち上げ後の撮影計画
2026年度から2027年度にかけては火星圏への往路で、宇宙空間から星空など最初の8K・4K画像を撮影する予定。2027年度から2030年度には火星圏に到着し、火星およびフォボス・ダイモスの詳細観測にあわせて、フォボスへの着陸・地表・上昇を撮影する。2030年度には火星圏を離脱し、探査モジュールの切り離しや去り行く火星などを撮影。2031年度には地球への復路で、徐々に近づく地球やサンプルを収めたカプセルの放出を撮影する予定だ。