ソロアーティストとして音楽活動を重ねる一方、俳優としても活躍する北山宏光。新曲「BACKLASH」は、テレビアニメ『桃源暗鬼』第二期〜日光・華厳の滝編〜のオープニング主題歌に起用され、念願だったアニソンを手がけることになった。楽曲に込めたこだわりから、ソロになって変化した歌との向き合い方、俳優業と音楽の関係までを語った。
作品への愛を背負って「僕もお邪魔します」と入っていく
新レーベル『RED ON』に移籍してから作品を重ねる北山。制作自体は変わらず藤家(和依)と一緒に行うことが多いが、販売ルートや作品を作った後のアプローチは『RED ON』になってから変わってきたという。
『桃源暗鬼』はもともと知っていて、Netflixの人気ランキングにも出ていたため1話、2話ぐらいは観ていたが、お話をいただいてから一気見し、漫画も全部読んだそう。「作品に対するファンのみなさんの思いも感じていたので、作品自体を好きにならないと失礼だなっていう気持ちがあって。だから全部読んで、全部好きになるところから始めて」と語る。
「どういう目線で歌詞を書いたら自分らしいのかな」とすごく考えたといい、「キャッチーさも必要だし、オープニングだから疾走感もあったほうがいい。『きっとここでタイトルが出てくるかな』とか、そういうことを想像しながら作りました」と制作過程を明かした。アニソンはいつかやりたいとずっと思っていたそうで、「本当にうれしくて」と喜びを語る。
『桃源暗鬼』の魅力については、「桃太郎と鬼がいて、本来正義だと思っていたものが、『どっちが正義なんだ』ってなっていく展開と、戦闘シーンも好きですね」とコメント。自分の曲がアニメで流れることへのプレッシャーについては、「受け入れてくれるのかな」という思いがあるとし、「単に『仕事で決まったからうれしい』ということじゃなくて、作品への愛をちゃんと背負った状態で、『僕もお邪魔します』という感じで入っていかないとですよね」と語った。
“攻める声”で歌い直したサビ
楽曲はかなりアグレッシブで、特にベースがコピーしがいがありそうだという。「まさに『ベースが立つ楽曲を作ろう』『疾走感があるといいよね』というところからデモが上がっていた」そうで、「これって『桃源暗鬼』にハマりそうじゃない?」と提案し、「これでいきましょう!」と採用されたという。
歌詞は北山が手がけており、1人のキャラクターの気持ちの描写からスタートしたが、それだけだと限定的になってしまうため、もう少しいろいろな心情が入るようにしたそう。ライブで盛り上がってもらえるように、「場外」「場内」という言葉もライブ会場に合うように意識して使っていると説明した。
レコーディングでは2日かけて録り、1回録って聴いてみて「やっぱりこれ違う」とサビを録り直したという。普段はライブのことを考え、声帯が消耗しないところで歌うが、スピード感を出したいときにはレコーディングのための歌い方をすることもあるそうで、今回はそういう声の使い方で録り直したと明かした。
グループ時代は自分の適正なキーとほかのメンバーの適正なキーが違っていたといい、ソロになってからは「自分のいい成分が出るところのキー設定だったりとか、声帯の使い方を考えながら楽曲を作ってますね」と語る。今回は“攻める声”を使ったそうで、ライブでは「それを抑えながらどうやるか、どこにブーストをかけるのかっていうのが、ライブでは難しいところですね」と話した。
念願のアニソン 海外での拡がりにも期待
北山にとって漫画やアニメは、学生の頃に通学時間2時間を使って漫画を読んでいたことから、「当時はYouTubeもない時代だったから、漫画がエンタメの中心でした」と振り返る。「漫画ってもはや芸術じゃないですか。ストーリーを考えることもそうだし、絵もそうだし。僕の中では好きなもののかなり上位に入っています」と語った。
最近は忙しくて読めていないそうで、「WEBの『少年ジャンプ』(※『少年ジャンプ+』)が1年分たまってるんですよ。やばいですよ。どこかで回収しなきゃ…」と笑いながら話す。漫画愛は曲作りにもつながっており、「この漫画がアニメになったら、主題歌はこの曲になってほしいな」とイメージして勝手に主題歌を作っている曲もあるという。
アニソンはずっとやりたかったそうで、「海外に旅行したりすると、日本の漫画やアニメの強さを感じるじゃないですか。作品がどんどん世界に広がっていって、昔の作品のTシャツを海外の人が普通に着てたりして」と話す。「今回の曲が『桃源暗鬼』の第二期にすごくハマったら、海外でライブをやる可能性だってあるかもしれない。何年後かにいきなりバズったりもしますし、楽しみです」と期待を寄せた。
主演ドラマもスタート「全部やればいい」
10月7日からは主演ドラマ『私があなたといる理由2』が始まった。『ただ離婚してないだけ』や『君が獣になる前に』といった“血のり祭り”のようなドラマを一緒にやってきたプロデューサー(※松本拓プロデューサー)の作品で、「その人が『マッチングアプリの恋愛もの持ってきたぞ』『グアムで撮るぞ』って。『そりゃおもろいでしょ』ってなるじゃないですか(笑)」と語る。
演じるうえでの難しさについては、「難しさというわけではないですが、自分の中のプランがあって、それが合っているかというすり合わせはしながら進めました。楽しく、ハードに撮影してきました」とコメント。役者として演じることとアーティストとしてステージに立つことは「全部つながってますよ。どれもやればいいんだよっていう」とし、「ドラマで初めて僕を観る人もいるかもしれないし、ドラマを入り口に『音楽活動もやってるんだ』と知って、ライブに来てくれるかもしれない。窓口はたくさんあったほうがいいと思っています」と語った。
「ここだけは譲らない」北山宏光の大切なもの
ソロ活動を始めて約3年。当初は「何かを描こうと思っても最初は何もなかったですからね。『これをやりたい』と思っても、それができる環境じゃないことのほうが多かった」と振り返る。「ゼロからのスタートだから、1個1個やっていって、気づいたら年間のスケジュールが埋まってた、みたいな感じです」とし、最近はライブでも男性ファンが増えてきて、「今までの僕のキャリアにはなかったファンの声出しが起きてるんですよ」と明かした。
「そういうファンの熱量が、ほかの誰ともかぶってないなって感じていて。オンリーワンを目指していきたいけど、一人では目指せないから、それを一緒に育ててくれてる感じがするんです」と語る。「ここだけは譲らない」と大切にしてきたものを挙げるなら「ライブ」だとし、「最終的にライブにすべてがつながっていると思っています。芝居も、それが舞台であろうが映画であろうがテレビドラマであろうが、バラエティであろうが、そこで知ってもらってライブに来てもらいたいです」と話す。
ライブにこだわる理由については、「やっぱり“生もの”には勝てないですからね。生ものに強い人って、それがポテンシャルで実力だと思うんです。ダンスも歌も、生で見たときにどう伝わるか。ライブの楽しさとか、それを生むクリエイティブ、空気感、すべてにキャリアと実力が必要になってくるのがライブだと思います」と語った。北山自身も海外のライブや日本で頑張っている人のライブを見に行くことがあり、刺激を受けているそうだ。
「BACKLASH」については、「バンドを背負って、ダンサーと一緒にパフォーマンスするのが一番ベストな曲です。それができるのはライブなので、ぜひ見に来てほしいですね」と呼びかけた。
プロフィール
北山宏光(きたやま・ひろみつ)は1985年9月17日生まれ、神奈川県出身。2023年9月17日にTOBEとともに新たなエンターテインメントへの挑戦を発表し、同年11月に1stシングル「乱心-RANSHIN-」でデビュー。2025年12月にはポニーキャニオンとTOBEの共同音楽レーベル「RED ON」へのレーベル移籍を発表し、活動の場を広げている。2026年7月から9月にかけて全国12都市17公演を巡るライブツアー『ULTRActi:on』を開催し、約8万人を動員した。