八雲支えた西田千太郎の生涯、没後130年企画展 松江で開催中
八雲支えた西田千太郎、没後130年企画展 松江で開催中

松江市奥谷町の小泉八雲記念館で、企画展「没後130年~西田千太郎へ 出雲時代のなつかしいおもいでに~」が開かれている。西田は、松江にゆかりが深い明治の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)を公私に支えた教育者で、八雲の日本国籍取得にも尽力した。短い生涯の中で八雲の人生に伴走した西田の生きざまを紹介する。

「ばけばけ」で注目、没後130年に企画

西田は、八雲と妻セツを題材にしたNHK連続テレビ小説「ばけばけ」で主人公らの友人・錦織友一のモデルとなり、俳優の吉沢亮さんが演じたことで注目された。2027年が西田の没後130年にあたることから、同館が企画した。

西田は下級武士の家(現在の松江市雑賀町)に生まれた。生活は貧しかったが、子どもの頃から成績は優秀で、生涯を学問と教育にささげ、友人からは「大盤石」と呼ばれた。

八雲との友情と病との闘い

英語が堪能だった西田は、言葉の壁に苦しむ八雲に寄り添い、日本への理解と創作活動を支え続けた。帰化の手続きにも力を尽くし、同記念館は「日本人・小泉八雲が誕生したのも西田のおかげだった」とする。

2人は文化や国を超えて互いに知識を高め合い、深い友情を築いた。一方で、若くして肺病を患った西田は闘病の末、34歳の若さで亡くなった。

約140点の資料で歩みを紹介

企画展は5章で構成され、西田の日記やハーンとの書簡、日々の体温を記録した「病況記録」など計約140点を集めた。日記は所感の記録はあまり見当たらず、事実の記録という性格が強い。地方の教育事情、社会情勢、ハーンとの交友、肺病と闘う記録などを知ることができる。

ハーンから西田への書簡には「ウグイスを贈ろうと思っています。もう少ししたらまた唄い始めるでしょう」などと書かれており、2人の関係性がうかがえる。

式典であいさつ、今後のイベント

9月25日にはオープニング式典が開かれ、八雲のひ孫で同記念館の小泉凡館長や松江市の上定昭仁市長、西田のひ孫・敬一さん(62)らが出席。小泉館長は「今こそ取り上げるべき人だと思う。展示ができるのも西田家の皆さんが資料を保存してくださっていたからで、深く感謝したい」とあいさつした。式典後、敬一さんは「(千太郎のことを)多くの方に知ってもらえることが一番うれしい」と話した。

企画展は27年6月6日まで。各分野の専門家が講演する「西田千太郎レクチャーシリーズ」が計5回(各回無料、要申し込み)開催され、3月13日には没後130年イベントがある。入館料は大人600円(松江市民300円)、小・中学生300円(同無料)。問い合わせは同館(0852・21・2147)。

西田が18歳から亡くなるまで暮らした旧居(松江市新雑賀町)では金土日の午前10時~午後4時、ガイドボランティアが常駐しており、見学できる。