2026年春ドラマ視聴率ランキングTOP10:日曜劇場が王座陥落、2桁視聴率ゼロの異変
2026年春ドラマ視聴率TOP10:日曜劇場陥落、2桁ゼロ

春ドラマ視聴率に異変、日曜劇場の王座が陥落

2026年春の連続ドラマ視聴率ランキングで、これまで常に上位を独占してきた「日曜劇場」が王座から陥落する異変が起きた。全ドラマで2桁視聴率がゼロという厳しい状況の中、健闘した作品はどこか。本ランキングは、2026年4月から6月に放送された主な春ドラマの全話平均視聴率を基にしている。

麻生久美子、波瑠、栁俊太郎が織りなす異色の世界観

家族にないがしろにされる主婦を麻生久美子、文学オタクの銀座のバーのママを波瑠、ママの同級生の寡黙な刑事を栁俊太郎が演じた作品は、ゆったりとした時間が流れる独特の世界観を構築。彼らの言動や思考には、社会のさまざまな“当たり前”に対するアンチテーゼが込められていた。

全話視聴率は4.9%と伸び悩んだが、ストーリーやキャラクター設定、キャラクター同士の関係性には新規性があり、強く引きつけられるドラマだった。シリーズ化を期待したいところだ。

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『刑事、ふりだしに戻る』:ダークホースが描く人生の残酷さ

今期のダークホース的存在であり、個人的に最もひかれたのが、タイムリープサスペンス『刑事、ふりだしに戻る』(テレビ東京)だ。意図せず時を超えて2周目の人生に飛ばされたアラフォー刑事が、10年前の未解決事件の真相を追い、殺された恋人を守るために“その日”に向かう物語。シリアスなストーリーと、演出による細かな笑いのギャップが心地よく、物語に視聴者を引き込むフックになっていた。

本作が描くのは人生の残酷さだ。数奇な運命に翻弄される主人公と、悲痛な過去を背負う同僚刑事のバディを通して、現代社会の闇をリアルに映す。タイムリープがベースのSFものだが、そこで描かれるのは、登場人物の息吹も体温も感じる、リアリティのある社会派ドラマだった。主演の濱田岳の個性を存分に引き出す演出が随所に光っており、メインストリームの新たなバイプレイヤーのスターを生み出したドラマになったのではないだろうか。

『田鎖ブラザーズ』:豪華キャストも空回り、リアリティ欠如

同じ刑事ドラマでも、対照的にリアリティに欠けていたのが『田鎖ブラザーズ』(TBS系)。31年前に両親を殺された兄弟(刑事の兄役・岡田将生、検視官の弟役・染谷将太)が、未解決のまま時効になった同事件の真相と犯人を追い続けるクライムサスペンスだ。

一家惨殺事件で生き残った子どもをめぐるドラマは、豪華キャスト総出演で重厚な映像演出も光っていた一方、物語の謎ありきで構成された都合のいいストーリー展開をはじめ、さまざまな設定にリアリティがなく、凄惨な事件をキャッチにしただけの深みのないドラマに見えてしまった。最終回のラストがSNSなどで話題になっていたが、本作には、犯罪に対する昨今の世間の感情とは異なる視点の犯罪者の描き方があった。町工場の社長が妻の病気の治療費のために拳銃密造に手を染める設定も滑稽だが、それを知った一家を惨殺する展開も強引であり、そんな犯罪者にどんな理があるわけもない。なぜか犯罪の背景に善の要素を入れようとする昭和のドラマを観ているようだった。話題のラストは、キレイに締めくくられているようで、とても気分が悪い終わらせ方だった。

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