音痴と言われた女性を救った1200年続く詩吟の魅力と現状
音痴と言われた女性を救った詩吟の魅力と現状

教師に「音痴なら歌うな」と言われた30歳女性が、1200年続く伝統芸能・詩吟に出会い、自信を取り戻した。詩吟は一人で吟じるため、グループ活動が苦手な人でも自分だけにスポットが当たる楽しさがあるという。

詩吟の魅力:一人で輝ける趣味

生き生きした笑顔でそう話してくれたのは、ある女性会員だ。歌う趣味はどうしてもグループでの活動が多いなか、詩吟なら1人で吟じるため自分だけにスポットが当たるのも楽しさにつながっているという。

漢詩好きにはたまらない時間

「僕は漢詩が好きなんです」と語るのは、奥様について教室に参加しているシニア世代の男性だ。詩吟は「漢詩」が好きな人にはもってこいの趣味で、かつて漢詩や中国史に夢中になった人にとって、たまらない時間がすごせる。

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「中国で作られた詩に、幕末志士たちが吟じた詩……聞いていてこんなに楽しいものはありません。それぞれの時代に想いを馳せながら、どんな気持ちで吟じたのか、どんな情景だったのか。そういう想像が膨らむのも楽しくて仕方がないんです」

単に詩吟に耳を傾けるだけでなく、その情景を想像して胸を膨らませるのも楽しみ方のひとつだという。こうして、一人ひとり違う楽しみ方があるのだと知るなかで、伝統芸能という言葉の響きに身構えていたのが嘘のように詩吟がうんと身近なものになっていた。

コロナ禍で会員半減の厳しい現実

だが、そんな魅力に溢れた詩吟の世界も、決して順風満帆なわけではない。体験を終えた筆者は、講師を務めてくれた島田旦桜さんと、二代宗家である有坂旦悠さんのお二人に、さらに一歩踏み込んだお話を伺う機会を得た。そこで語られたのは、コロナ禍で会員が半減したという生々しい教室経営のリアル、そして「伝統」を守るために仕掛ける驚きの目標だった。

1200年の歴史を持つ伝統芸能の行方

1200年の歴史を持つ伝統芸能は、2026年の今、一体どこへ向かおうとしているのか。後編に続く。

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