広瀬すずが、5日に配信されたTOKYO FM Podcasts『広瀬すずの「よはくじかん」』#153で、映画『ラストレター』の撮影を回顧。撮影直前に劇中小説を読んだことで感情があふれたものの、岩井俊二監督から求められたのは「泣かないバージョン」だったという。
福山雅治と『ラストレター』を振り返る
この日は、福山雅治がスペシャルゲストとして登場。2017年公開の映画『三度目の殺人』で初共演した2人が、その後再び共演した作品として、2020年公開の映画『ラストレター』を振り返った。
岩井俊二監督が原作、脚本、編集も手がけた同作で、広瀬は遠野未咲の高校時代と、未咲の娘・鮎美を演じた。一方、福山が演じたのは、学生時代に未咲へ思いを寄せ、後に彼女を題材とした小説を発表した小説家・乙坂鏡史郎だった。
福山は撮影現場について、そのときに生まれる感情を生かしながら作り上げていく「作品性、作家性の高い現場だった」と回想。広瀬も、ゆっくりと時間が流れる一方、俳優やスタッフが繊細な感情の動きを拾い集めながら作品を作っていたと振り返った。
撮影現場で初めて開いた劇中小説『未咲』
福山は、自身が演じた鏡史郎について、デビュー時に発表した小説『未咲』だけが売れ、その後はヒット作に恵まれていない作家だったと説明。劇中に登場する『未咲』は、物語上の設定だけでなく、岩井監督によって実際に一冊の小説として書かれていたという。
広瀬は、撮影に入るまで、その小説の存在を詳しく知らなかったそう。仙台の撮影現場に置かれていた本を初めて手に取り、「これ、開いたら書いてある」と驚いたことを明かした。
すると、同作で未咲の妹・裕里の高校時代と、鮎美のいとこ・颯香を演じた森七菜も、「これ、本当にあるやつだ」と興味を示し、「ちょっと貸して」と小説を手に取ったという。
「あの小説、読まなきゃよかった」
その後、広瀬は重要なシーンの撮影に臨んだ。しかし、直前に『未咲』を読んだことで、登場人物が抱える思いや物語の背景が強く胸に迫ったようだ。
広瀬は「私、一発目で引くほど泣いてしまって。その小説を読んだから」と告白。役の感情に深く入り込み、涙を抑えられなくなったという。
ところが、岩井監督から返ってきたのは、「泣かないバージョンください」という言葉だった。涙があふれた直後に、今度は泣かずに演じなければならなくなった広瀬は、「あの小説、読まなきゃよかったって後悔したくらい」と笑いながら打ち明けた。
福山雅治「あれ読んだら泣いちゃうんだよね」
広瀬の話に、福山は「あれ読んだら泣いちゃうんだよね」と共感。自身も、未咲の仏壇の前で芝居をする撮影では「1日中泣いてた」と明かした。
福山によると、鏡史郎は、かつて心から恋愛感情を抱いた相手に悲しい出来事が起きたことを知らずに生き、その事実を知って強く後悔する人物。そうした感情を無理なく表現できた場面だったといい、「僕はすごく好きな作品であり、好きなシーン」と思い入れを口にした。
撮影直前に偶然手にした劇中小説によって、想定以上に役の感情へ入り込んだ広瀬。涙があふれた直後に正反対の「泣かない演技」を求められた経験は、作品の繊細な空気とともに、今も強く記憶に残っているようだ。
なお同番組は、放送後1週間以内であればradikoで聴取可能(エリア外の場合はプレミアム会員のみ)。
【編集部MEMO】 『広瀬すずの「よはくじかん」』は、広瀬すずがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組。2023年10月にスタートし、毎週土曜15時30分からJFN全国38局ネットで放送されている。仕事や目の前のことから一度離れ、無目的に過ごす“余白”のような時間を届ける。



