エッセイストでクリエーティブディレクターの松浦弥太郎氏は、『プレジデント』2026年7月31日号の特集「機嫌がいい人の考え方」の中で、自身の旅の習慣を通じて穏やかな心を保つ方法を明かしている。同氏は年に2〜3回、20日間ほどの長期旅に出るのが長年の習慣で、1年のうち約1カ月半を旅先で過ごしているという。
旅がもたらす「必要な驚き」
松浦氏は毎年4月と10月にパリでアパルトマンを借り、20日間ほど滞在する。朝は近所の市場でその日に食べたい食材を選び、自炊するという。観光名所を巡るのではなく、現地で暮らすように過ごすのが同氏の旅の流儀だ。市場には名前も知らない魚や野菜が並び、味の見当もつかない食材に好奇心で手が伸びる。それを調理して成功したり失敗したりする中で、小さな驚きや幸せを感じると語る。
不運を感謝に変える思考法
松浦氏は、旅先での思いがけない出来事こそが「必要な驚き」であり、不運も感謝に変える習慣が穏やかな心を育むと強調する。例えば、フランス人も知らない地下鉄のルールを知るなど、予想外の経験が日常の視野を広げるという。また、スーツケース1個だけで旅をすることで、余計なものを持たないシンプルさも心の平穏に寄与すると述べている。
穏やかな人の日常への応用
同氏のアプローチは、旅先だけでなく日常生活にも応用できる。市場での偶然の出会いや、調理中の失敗を楽しむ姿勢は、ストレスを軽減し、ポジティブな感情を引き出す。松浦氏は「不運を感謝に変える旅の習慣」を通じて、プレッシャーに動じない温厚な人の流儀を伝えている。
この記事は『プレジデント』2026年7月31日号に掲載され、構成は渡辺一朗氏、撮影は市来朋久氏が担当。写真提供はトゥミジャパン(スーツケース)による。



