大阪府河内長野市の山間部で、ワサビを栽培し販売先を開拓するプロジェクトが進められている。市南東部にある大和川水系の石見川は水質が良好で、最も厳しい環境基準が適用されている。その流域に清澄で低温の流水が栽培に必要なワサビの苗を植えており、苗付けから1年半~2年後に収穫する。
水資源を生かしたプロジェクトの概要
ワサビには根茎をすりおろして薬味にするサワワサビと、葉や茎を食べる畑ワサビがある。プロジェクトで栽培しているのはサワワサビで、水が流れる環境で育てられる。国内では静岡県や長野県が産地として知られ、府内に主要な産地はないという。
河内長野市は森林が約7割を占め、石見川など豊かな水資源に恵まれている。これを活用するため、市と、飲食業者でつくる一般社団法人大阪府飲食業経営審議会とともに、いずれも同川流域にある湧き水の採水場「行者湧水」、野菜を栽培する農園が協力してプロジェクトを始めた。
栽培の現状と今後の計画
経営審議会の資金提供を受け、今年6月、ワサビの苗を行者湧水に約30本、農園に約100本を植え、プラスチックのトレーに湧き水や沢の水を流して育てている。今月17日には行者湧水で苗付けイベントが行われ、約130本を追加する予定。
現在、静岡県などのワサビ農家の助言を受けながら、行者湧水や農園の関係者が栽培に取り組んでいる。市は段階的に栽培数を増やす方針で、苗付けから1年半~2年後に収穫される。今後、経営審議会が飲食店や道の駅など販売先を開拓していくという。
地域資産としての期待
市はワサビを石見川流域の新たな地域資産として育てるとしており、市自然資本活用課の須藤暁史参事は「市内の良質な水資源をPRし、定住促進や新たな産業創出につなげたい」と話している。