今年のシルバーウィークは19~23日の5連休で、これだけの規模の休みは11年ぶり。物価高に給料日前という事情も重なり、お金をかけずに楽しむ工夫をする人々がいる。
「おてつたび」で働きながら旅行
岐阜県に住む荻野賢治さん(58)と亜紀さん(50)夫妻は、この連休中に長野県東部の小海町にある温泉施設「八峰(ヤッホー)の湯」を訪れる予定だ。宿泊費は無料で、むしろ報酬を受け取れるという。
八峰の湯では十数年前から人手不足に悩まされ、連休中の接客や配膳、片付けの人繰りに苦労してきた。そこで登録したのが「おてつたび」。東京都品川区の同名の法人が提供するサービスで、人手を確保したい農家や宿泊施設などの事業者と、働きながら旅を楽しみたい旅行者をつなぐ。
八峰の湯では今夏、この仕組みを介して旅行客2人を受け入れ、食事時など忙しい時間を中心に働いてもらった。空き時間は温泉に入るなど自由に過ごしてよい。支配人の小山聡さん(58)は「業務のパンクを防げた」と話す。
連休を「特別な場所」に
旅行者とは短期の雇用契約を結ぶ。このシルバーウィークには数組の応募があり、経歴などを見て荻野さん夫妻を選んだ。
荻野さん夫妻は子どもと一緒に頻繁に旅行するが、心配なのはお金。このサービスを使えば「旅行先を回りながらお給料がもらえて滞在する場所も提供される」と期待する。
おてつたびの担当者は、まとまった連休は「地域の人たちと関わる時間が増え、旅行者にとって旅先を『特別な場所』にできる」とみる。「働いて滞在する」という旅の形は広がっている。



