「食卓の主役」サラダ、肉や魚介・ナッツ加え健康的に、専門店もスーパーも商品充実、1食分の満足感が人気
「食卓の主役」サラダ、肉や魚介・ナッツ加え健康的に、専門店もスーパーも商品充実、1食分の満足感が人気

専門店に会社員ら、食べ応えのある一皿

「健康を意識して食べている。チキンが入ったものはおいしくて腹持ちもいい」――7月上旬の昼、東京都内の「クリスプサラダワークス 虎ノ門ヒルズ 森タワー店」で、52歳の男性コンサルタントはこう話した。店には会社員らが訪れ、店員がボウルにてきぱきと具材を盛っていた。

同店のメニューは10種類以上で、価格は1000~2000円程度。野菜、チキン、サーモン、卵、豆類、果物、チーズなどから5、6種類を組み合わせ、細かく刻んで大きなボウルに盛るのが特徴だ。

人気の「クラシック・チキンシーザー」は、ロメインレタスやトマトに加え、チキンやチーズのうまみ、クルトンの歯ごたえ、ドレッシングのしっかりした味が楽しめる。ビタミンや食物繊維、たんぱく質などを取ることができ、一食分の満足感が得られるという。

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「おいしいからまた食べたい」、店舗拡大

運営する「CRISP」(東京)はオフィス街を中心に店舗を構え、健康志向の中高年男性のリピーターが多い。社長の宮野浩史さんは「野菜を我慢して食べるのではなく、おいしいからまた食べたいと来店する人が目立つ」と話す。2014年に米国の専門店を参考に1店舗目を開き、現在は63店に広がった。

「ウィズグリーン」も食感を工夫

専門店「ウィズグリーン」(東京)も、野菜に肉などを組み合わせたメニューを12種類そろえる。人気はコリッとした食感の砂肝を使った「砂肝ともやしナムルのサラダ」だ。玄米なども入り、食べ応えがある。国産野菜を中心に、大根はイチョウ切り、ニンジンは細切りにするなど、食感を楽しめるよう切り方を工夫している。

広報宣伝チームの高木沙和さんは「健康意識からサラダを求める人が増え、食事の一つの選択肢になっている」と話す。

購入額は右肩上がり、スーパーも拡充

総務省の家計調査によると、2025年の1世帯(2人以上)あたりのサラダの年間購入金額は6657円だった。生鮮野菜の購入金額がほぼ横ばいなのに対し、サラダは伸びている。

「ケンコーマヨネーズ」マーケティング部長の佐野雅哉さんによると、サラダ専門店は2010年代半ばに登場。2020年代以降は、ナッツ類や野菜以外の肉、魚介、麦や米などの穀類といったボリュームのあるトッピングが増え、人気がさらに高まっているという。

首都圏中心のスーパー「サミットストア」では、店舗で新鮮な野菜をカットしたサラダを販売し、旬のフルーツやチーズを合わせた季節限定のものが人気だ。青果部の金森健人さんは「産地と相談し、規格外の野菜や傷のある果物を使うこともあり、フードロス削減にもつながる」と話す。

副菜から主役級へ、今後は目的別に

サラダ人気の背景について、佐野さんは「食事の簡便化でワンプレート化が進んで、サラダにも肉などを組み合わせるようになり、副菜から主役級になった」と分析する。さらに「ザクザク、コリコリなど異なる食感の食材を取り入れ、冷たい野菜に温かい食材を組み合わせるなど、コントラストを強調して満足感を高めている」と話す。

「近年はサラダにカロリーや栄養成分を表示するようになった。筋トレをする人向けや高齢者向けなど目的別に特化したサラダが充実していくのでは」と予測する。

野菜摂取量は伸び悩み、毎食の野菜が理想

サラダ人気の一方で、野菜の摂取量は低い水準にある。国の健康づくり計画「健康日本21(第3次)」は1日あたり350グラムを目標とするが、厚生労働省の2024年調査では20歳以上の平均摂取量は259グラムにとどまり、近年は減少傾向だ。

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日本栄養大学の林芙美教授(栄養教育学)は「外食や中食などが増え、野菜の摂取量は減っている。サラダ人気で少しでも野菜を食べようとするのはよいこと」と評価する。その上で「健康的な食生活のためには、野菜中心でなく、米やパンといった主食、肉や魚などの主菜なども一緒に食べることが重要だ」と指摘。1日3食のうち1食で野菜をまとめて食べようとする人については「野菜は一度にたくさん食べるよりも、毎食取り入れるのが理想だ」と話す。

記者のひとこと

子どもの頃からサラダは好きだったが、野菜よりもドレッシングを味わうために食べていた。サラダが多様化し、野菜の甘みや食感の良さに改めて気づいた。栄養バランスに気をつけながら、サラダを楽しみたい。