神奈川県鎌倉市の和菓子屋「ともや」が販売する「大仏さま焼き」が、観光客減少の中でも1日1000個を売り上げる人気商品となっている。きっかけは、今川焼きの焼き型の故障という予期せぬトラブルだった。
型故障が生んだオリジナル商品
二代目店主の祐介さんと妻の亜実さんは、先代から引き継いだ店に変化が必要と感じていた。ある日、今川焼きの焼き型が故障。亜実さんは「せっかくなら、オリジナルの型を作ろうよ。新商品を作ろう!」と提案した。
食べ歩き需要のある立地を活かし、観光客が手に取りたくなる商品を模索。鎌倉らしいモチーフとして大仏さまを思い浮かべたが、既存のデザインではしっくりこず、亜実さんが自ら大仏の顔を描くことに。真剣すぎると怖く、かわいすぎると違和感があり、何枚も描き直して家族から「いいね」をもらった表情が現在のものだ。
さらに、亜実さんは子どもの粘土を借りて手のひらサイズの立体モデルを制作。螺髪の部分も一つひとつ小さな丸で表現し、鋳物の焼き型を専門会社に発注した。
開運フレーバーがヒットの鍵
大仏さま焼きは単なる可愛いお菓子ではない。6種類のフレーバーそれぞれに開運の願いが込められている。小倉あんは健康運、カスタードは人気運、紅いもあんは金運、つぶあんクリームチーズは美人運、厚切りベーコンチーズは仕事運、ブルーベリークリームチーズは恋愛運。価格は1個250円~300円。
運勢の組み合わせは、辻堂の占い師に鑑定してもらったという。観光客が消えた鎌倉で、このユニークな発想が連日行列を生むヒット商品に育てた。



