マクドナルドに「ハンバーガー大学」と呼ばれる教育機関があることをご存じだろうか。その名に反して、ハンバーガーの作り方を教える場所ではない。ここは、マクドナルドが大切にする「人を育てる」という考え方を実践する教育機関だ。
「ピープルビジネス」を体現する教育機関
マクドナルドが掲げるのは「ピープルビジネス」という考え方。店舗で働くクルー一人ひとりが学び、成長することで、チームや店舗のパフォーマンスが向上し、それがお客さまへのより良いサービスやホスピタリティにつながっていく。人の成長がビジネスを動かすという考え方が根底にある。
1971年7月、東京・銀座に日本マクドナルドの1号店がオープンしたが、ハンバーガー大学が設立されたのはその1ヶ月前。日本で最初の店舗を開くより先に、“人を育てるための教育機関”が誕生していたことになる。
折り紙で学ぶリーダーシップとチームワーク
今回、ハンバーガー大学のカリキュラムの一部がメディアに公開された。オリコンニュース取材班も実際に体験するため、その門を叩いた。ここで学ぶのは、単なる作業のノウハウではなく、チームをまとめ、成果へと導くためのリーダーシップスキルだ。
今回用意された課題は、意外にも「折り紙」。4人が1つのテーブルを囲み、折り紙でコップを作っていく。制限時間内にいくつ完成させられるかを競うが、「全員が必ず1工程を担当する」というルールが設けられている。スタートの合図とともに、参加者は真剣な表情で折り紙に向き合った。
完成したコップをチェックするのは、ハンバーガー大学の中原学長。「これはダメ」「折り目がいまひとつ」「これもダメ」と、一つひとつ厳しく判定していく。予想以上にシビアな品質基準を前に、最初のチャレンジは、なんと「完成0個」という結果に終わった。
目的を明確にし、役割を分担して成果が6倍に
しかし、授業はここからが本番だった。次に教えられたのは、チームのパフォーマンスを高めるためには、まず目的を明確にし、その達成に向けた方法をチーム全員で考えること。4人で折り方や工程について話し合い、それぞれの役割を決めてから、再び同じ課題に挑んだ。
1回目は、それぞれが個別に作業を進めていたが、2回目は方法を一変。最初の工程を担当する人、次の工程を担当する人、さらにその次、そして最後の仕上げをする人と役割を分担し、流れ作業でコップを完成させていった。その結果、完成したコップは「6個」。0個だった1回目から、一気に成果を伸ばした。
そこには、リーダーを決めること、誰がどの役割に適しているかを考えること、ゴールをチームで共有すること、そして一人ひとりの力を生かしながら全体のパフォーマンスを高めていくこと。さまざまな学びが盛り込まれていた。
人を育て、その力を引き出し、チームとして成果につなげていく。ハンバーガー大学で体験した授業には、マクドナルドが掲げる「ピープルビジネス」の考え方が凝縮されていた。