京都・瓢亭主人の高橋英一さん、人間国宝に 食文化で初認定へ
瓢亭主人・高橋英一さん、人間国宝に 食文化で初認定へ

国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に、京料理店「瓢亭(ひょうてい)」(京都市)の第14代主人、高橋英一さん(87)が新たに選ばれる見通しとなった。16日に開かれた文化審議会が答申した。対象として新たに加わった「生活文化」の分野で、食文化の担い手として初めて人間国宝に認定される。

京野菜の復活にも取り組む

「不易流行」の構えで、料理に向き合ってきた。つねに基礎に置いているのは「だし」だ。ただし、マグロ節に出合って、材料をカツオ節から変えた。「澄んだおいしさを持っていて、利尻昆布との相性は抜群だと思います」

柔軟な思考で、フランス料理や中国料理の素材や技法も積極的に試してきたが、献立に取り入れる時は「ゆっくり、ゆっくり」。自分の思う京料理として違和感がないように、細心の注意を忘れない。

料理界の発展に尽くす

主人として店を守りながら、料理界の発展に尽くしてきた。なかでも、40代後半で京都料理芽生(めばえ)会の会長になった頃を「一番楽しかった」と振り返る。

消滅の危機にあった京の伝統野菜の復活に取り組んだり、海外に本格的な会席料理を紹介したり。料理人の仲間とともに重ねた実績は、のちの「和食」のユネスコ無形文化遺産登録など、料理界にとって「少しはお役に立ったかもしれません」と語る。

「光栄の至り」と喜び

「瓢亭」の料理の特徴をたずねると、「茶の色が濃いことでしょう」。自宅の庭で季節の花を育てて、自ら生けてきた。茶花の教室は、長く続けている。

仕事を通じて日本料理は文化だと表現してきた半生が認められ、届いた人間国宝のしらせは「光栄の至り」と喜んだ。