「親でもないくせに」――この一言に、継親はなぜ強い怒りを覚えるのか。再婚家庭が増え、4組に1組が再婚という時代、血縁関係よりも深刻な「中途養育者」の問題が浮き彫りになっている。
「ふつうの家庭」と違うスティグマ
ノンフィクションライターの大塚玲子氏は、再婚家庭(ステップファミリー)における子育ての難しさを指摘する。継親は「いわゆるふつうの家庭とは違う」というスティグマを抱え、好奇の目で見られやすいため、自らの状況を隠そうとする傾向がある。「だったら言わなければわからないし、説明するのも面倒だから黙っておこう」となりやすいが、それでは「支援が必要だ」という事実が外に伝わらず、結果的に子どもが不利益を被ると警鐘を鳴らす。
周囲に伝える最初の一歩の重要性
町田氏(文中で言及される専門家)は、周囲に伝えて最初は色眼鏡で見られたとしても、本当に親しくなれば偏見はなくなっていくため、最初の一歩を踏み出すことが大切だと語る。「社会的な支援も必要です。ステップファミリーにも、里親と同じように学ぶ機会を用意しなければいけません。継親や実親がステップファミリーに必要な知識を身に付けられるようにするためには、公的な予算が必要です。住む自治体によって支援に差が出ないよう、国がお金をかけてほしいです」と訴える。
相談場所の不足とピアサポートのすすめ
中途養育者が育児に悩んだときの相談場所も不足している。再婚家庭や里親からは「相談相手がいない」という悩みがよく聞かれる。児童相談所に相談するのが一般的だが、相談員がステップファミリーについての知識を持っていない場合がある。里親の場合、児童相談所に相談すると「問題がある親」とみなされて、子どもの委託措置を解除される可能性があるため、「相談したくてもできない」現実があるという。
そこで町田氏が勧めるのは、同じ立場の仲間とつながるピアサポートだ。LINEのオープンチャットも複数あるため、「ステップファミリー」「養育里親」「中途養育」などのワードで検索してみてほしいと述べる。「1人で悩まず、大人も子どもも気軽に参加してもらえたら。中途養育者の孤立を防ぐことは、単なる個人への救済ではなく、『虐待の未然防止(密室化の阻止)』という社会全体の安全保障に直結していると考えています」と強調する。
居場所「ぴあサロン104」の開設
中途養育者や子どもの孤立を防ぐための「居場所」として、今年6月に東京都足立区で町田氏が立ち上げた「ぴあサロン104」がある。毎週金曜日にオープンしており、ハイブリッド開催なので遠方からのオンライン参加も可能だ。気になる方は問い合わせてみてほしい。



