『トラ・トラ・トラ!』黒澤明監督の音声テープ発見、国立映画アーカイブが発表
『トラ・トラ・トラ!』黒澤明監督の音声テープ発見

国立映画アーカイブは17日、1968年12月に黒澤明監督が初の外国映画として撮影を開始しながら降板を命じられた戦争超大作『トラ・トラ・トラ!』(1970年公開)の撮影時の音声テープを発見したと発表した。同アーカイブによると、黒澤監督撮影時のフィルムは現存が確認されておらず、この音声は極めて貴重な記録となるという。

音声テープの内容と発見の経緯

音声テープを録音したのは、東宝撮影所の録音技師渡会伸氏(1918-2001)。2022年、関係者より国立映画アーカイブが資料を受領した際に6mmのオープンリールテープが含まれており、内容を調査した結果、黒澤組における『トラ・トラ・トラ!』撮影時の録音物であることが判明した。テープは映画録音用の6mmテープ11本で、黒澤が12月2日から12月21日にかけて監督した部分を収録。主にワシントンDCの日本大使館のシーンと戦艦長門の艦内シーンからなり、スタッフによるシーン番号・テイク番号の読み上げ、俳優たちの台詞、黒澤監督による演技指導の声が収められている。なお、この映画の主要な役には、黒澤監督の意向でプロの俳優ではない旧軍人たちが主に起用された。

法的な手続きと公開の可能性

国立映画アーカイブは法的な検討を重ね、現在20世紀フォックス作品の権利を有するウォルト・ディズニー・ピクチャーズ(WDP)との話し合いを通じて、同館の主催事業に限って音声データを使用することが認められた。今後の公開イベントなどで活用される可能性がある。

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『トラ・トラ・トラ!』の製作背景

『トラ・トラ・トラ!』は黒澤監督が取り組んだ初の外国映画の企画。ハリウッドメジャーの20世紀フォックス社の製作により、1941年12月の日本軍の真珠湾攻撃をめぐる日米両国の動きを題材にした大作で、日本のシーンを黒澤が、アメリカ側をリチャード・フライシャー監督が演出する方針が固まった。1968年12月2日に東映京都撮影所で日本側のシーンがクランクインしたが、製作側との折り合いがつかず、12月24日に黒澤は解任された。その後、舛田利雄・深作欣二の両監督が日本側の撮影を引き受け、当初の予定より大幅に遅れながらも映画は完成し、1970年9月に公開された。

国立映画アーカイブは「この音声は黒澤監督の演出方法や当時の撮影状況を知る上で極めて貴重な記録」とコメントしている。

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